研究課題
2017年は、匈奴の窯業の実態を明らかにすることを目的に、ホスティン・ボラク遺跡群KBS3地点において、前年に確認した窯址と推定される楕円形遺構の発掘を実施した。まず遺構の全体を検出するために、東西5m、南北10mの調査区を設定し、全体の輪郭を確認後に埋土を順に掘り下げた。その結果、この遺構は最初は窯として使用されたが、その後北側に新たに窯が築造された際に、この遺構のくぼみが利用され新窯の開口部が拡張され、窯の焚き口南側に連結する作業場(燃料の置き場、焼成部の失敗品や燃焼部の木炭・灰の廃棄場所)として、継続して利用されたと推定された。これにより、窯の構造と操業について多くの情報を得ることができた。出土品の瓦・レンガについても検討を進め、複数の文様笵型の存在を確認した。年代測定、焼成温度測定のサンプルを採取し、分析データを得た。また、KBS3地点周辺の遺構の分布・存在を明らかにすることを目的に、磁気探査を実施した。その結果、窯の周囲に3か所ほどの磁気異常が確認された。特に発掘区北側の異常が大きく、別の窯の存在は大きくなった。また、北側約400mの地点では、磁気異常の集中地点が有り、試掘の結果住居址の存在の可能性が高まった。物理探査の遺構確認の効果の検証も行い、今後の本格的導入に関して検討を進めた。周辺土城の踏査とドローンを用いた空撮と測量、さらに瓦片等の表面採集を行った。これらの資料と、窯址出土資料との比較検討を進めた。この他に、同遺跡群の踏査も進め、匈奴時代遺構の確認を進めた。本年度までの研究成果について、ロシアブリヤート共和国での国際会議、韓国嶺南大学校他との共同開催によるシンポジウムで発表し、ロシア・韓国・ドイツ等の研究者らとの意見交換を進めた。また、1月に、研究参加者らによる打ち合わせを実施し、次年度及び今後の計画について、検討確認した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
金大考古
巻: 75 ページ: 24-35
人文学会紀要
巻: 102 ページ: 31-51
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