研究課題/領域番号 |
26244053
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中谷 文美 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90288697)
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研究分担者 |
上羽 陽子 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 准教授 (10510406)
宮脇 千絵 南山大学, 人類学研究所, 研究員 (30637666)
青木 恵理子 龍谷大学, 社会学部, 教授 (40180244)
落合 雪野 龍谷大学, 農学部, 教授 (50347077)
杉本 星子 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (70298743)
窪田 幸子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80268507)
田村 うらら 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 特任助教 (10580350)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 布 / グローバルネットワーク / 物質文化 / 文化遺産 / 消費 / ジェンダー / 工芸 |
研究実績の概要 |
本年度は、3回にわたって研究会を開催したほか、国際学会での分科会主催・報告、メンバー全員での海外共同調査に加え、3名の研究分担者・連携研究者による個別調査をアゼルバイジャン、パプアニューギニア、マダガスカルにおいて実施した。
4月の第1回研究会では、2015年度の個別調査と共同調査、ワークショップの成果を共有し、とくに沖縄での共同調査によって明らかになった事項を踏まえて全体としての研究課題に含まれるテーマ群を洗い出すとともに、個別の分担課題の今後の進め方について確認を行った。 6月に同志社大学(京都)で開催されたAssociation of Asian Studies in Asiaの分科会「Issues of Making Heritage in East Asian Contexts: Comparative Consideration」において、国外研究協力者のMoon Okpyo(韓国中央研究院名誉教授)と研究代表者の中谷が成果報告を行ったほか、合わせて第2回研究会を実施し、Hahm Hanhee (全北大学校教授)およびMoon Okpyoによる研究報告を行った。 8月に国外研究協力者のWilliam Ingram, Jean Howe(Threads of Life共同主宰者)の協力の下にインドネシア、西チモールで実施した共同調査では、国の文化政策、開発実践、女性の就業支援といったさまざまな要因を背景としつつ、布工芸品の製作現場が地域ごとに異なる状況にあることが具体的に明らかになった。 この共同調査を通じてメンバー各自が設定した課題の暫定的分析結果を12月開催の第3回研究会において共有し、最終年度である2017年度の成果とりまとめに向けての議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に盛り込んでいたインドネシアでの共同調査を実施し、対象地域・テーマの異なるメンバーがそれぞれの観点と経験を生かした貢献をすることができたほか、共同調査ならではの充実した議論が可能となった。 2015年度の沖縄共同調査に協力した国内連携研究者(平良次子南風原町文化センター学芸員)が第1回研究会に参加したほか、インドネシア調査ではフェアトレード団体Threads of Lifeの共同主宰者とスタッフと充実した意見交換が実施でき、研究者側の視点のみでなく、布工芸品の生産現場で様々な活動を展開している当事者の視点を組み込んだ形で、調査の実施・分析が進んでいる。 また、2015年度のICAS(オーストラリア・アデレード)に続き、今年度も国際会議において研究課題に関する分科会を組織し、国外研究者とのネットワーク形成も進展した。研究成果のとりまとめ方法に関する議論も予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は最終年度となるため、研究成果公開への取り組みが中心となる。 複数のメンバーによる国際学会での分科会報告を予定するほか、研究成果とりまとめに向けて、英語による論文集の構成など、具体的な議論を行う。また、当初計画にある通り、国際シンポジウムを開催予定である。
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