研究課題
本研究は、主権国家間の関係やパワーに基づいた従来からの国際関係論の分析手法を乗り越え、これまで捨象されてきた国家間の空間的近接性、国境・境界の問題という国際関係を規定する本質的なファクターに焦点を当てることにより、国際関係論、政治地理学を軸にしつつも経済学、歴史学、環境学などを専門とする研究者との協働を通じて、境界地域のミクロな「生活圏」を足場とした「下からの」政治地理学、「新しい地政学」を誕生させることを目的としている。理論的な分野では、セミナーを大阪(4月:関西大学との共催)及び東京(9月:中央大学)で開催し、北米や欧州との比較分析もカバーした(後者については連携研究者、川久保文紀が担当)。また、名古屋では日本の境界地域に関するセミナーを6月に行った(分担者、古川浩司が担当)。また米国サンフランシスコで開催されたAssociation for Borderlands Studiesの年次集会(4月)で本研究テーマを主題の一つとして中国とロシアをめぐる国境問題と国際関係に関するパネルを組織し、福岡では南アジアと北東アジアの地域比較をもとに、本研究の総括となる国際セミナーを開催した(12月)。これらの最終成果は、前年度までの蓄積をさらに発展させるものであり、実態研究、特に「生活圏」や「下からの」アプローチに関しては、境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)との共催で、対馬でセミナーを開催し(11月)、稚内、根室、礼文、対馬、竹富、与那国など境界自治体のボーダーツーリズムに関わる課題などを検証した。今年度の成果はweb上で日英の両言語ですでに公開されている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 12件、 招待講演 4件) 図書 (4件) 学会・シンポジウム開催 (4件)
ロシアNIS調査月報
巻: 63-3 ページ: 10-20
法政論集
巻: 第45巻3・4合併号 ページ: 43-68
地理の研究
巻: 196 ページ: 10-17
巻: 62-5 ページ: 1-22
アジ研ワールド・トレンド
巻: 266 ページ: 18-19