研究実績の概要 |
本研究は、ペルーアマゾンにおいて最大規模のフィールド調査(流域全村調査5支流域919村、農村・家計標本調査239村、約4000家計)を実施し、最新のGISデータ、分析と組み合わせて、熱帯雨林の保全と開発に向けて革新的な研究を行うものである。2年目の今年度は、主に次を実施した。 1. 第1回農村・家計標本調査フェーズ2を、前年度のフェーズ1に引き続き実施した。多くのフィールドでの困難、障害(下記に詳述)を乗り越えての成果である。また、第1回農村・家計標本調査フェーズ1, 2のデータ校正を行い、予備的分析を行った。 2. 既存の関連GISデータを収集し、流域全村調査の空間情報と統合することで、様々なGIS データベースを構築した。新しいGIS分析手法の検討、開発を行った。特に、河川ネットワーク距離測定方法を開発した。また、ペルーアマゾン全域に拡張可能なGIS分析手法を検討した。 3. 流域全村調査データについて追加のデータ校正を行い、テーマごとの分析を行い、成果を発表した。主なテーマは、生業選択の農村環境・経済決定要因、農村社会ネットワーク分析、河川ネットワーク距離分析である。特に、最初のテーマについては、第1回Forests & Livelihoods: Assessment, Research, and Engagement (FLARE) Network Conferenceの本会議で報告し、大きな反響を呼んだ。 4. 流域全村調査データ、GISデータ、第1回農村・家計標本調査データを用いた研究テーマ(継続、新規、計20テーマ)を選定し、研究計画を策定した。継続テーマの一部について分析を行った。
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