研究課題
基盤研究(A)
本研究では学校教育や生育環境が、競争的市場や再分配に対する態度、利他性や互恵性などの非認知能力に与える影響と非認知能力を通じて労働市場でのパフォーマンス、幸福度・健康に与える影響をアンケート調査から分析した。学校教育におけるグループ学習や小学生時代に神社仏閣が近隣にあったことは利他性や互恵性と正の相関をもっていること、利他性や互恵性高い人は、所得が高くはないが人間関係の満足度が高く、健康度も高いことを明らかにした。
労働経済学、行動経済学
非認知能力が労働市場でパフォーマンスに大きな影響を与えているという海外での実証結果は蓄積されてきており、非認知能力の重要性が認識されてきた。しかし、日本で教育の特色や生育環境が非認知能力の形成との関係があるのか、非認知能力が労働市場でどのように評価されているのかについては明らかにされていなかった。日本における学校教育や地域環境が社会的選好の形成に影響していることを示したことは、教育政策の改善に貢献する可能性がある。