研究課題/領域番号 |
26245048
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
洞口 治夫 法政大学, 経営学部, 教授 (20209258)
|
研究分担者 |
入戸野 健 法政大学, 経営学部, 教授 (00269309)
松島 茂 東京理科大学, イノベーション研究科, 教授 (00339508)
行本 勢基 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (10434367)
前島 志保 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10535173)
李 瑞雪 法政大学, 経営学部, 教授 (20377237)
児玉 靖司 法政大学, 経営学部, 教授 (30266910)
福田 淳児 法政大学, 経営学部, 教授 (50248275)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 集合知 / グループワーク / プロデューサー / 国際インターンシップ / クラスター / 金型産業 / 産業集積 / 創造性開発 |
研究実績の概要 |
洞口(2014)では集合知形成の理論的分析を行うとともに、プロデューサーの役割についての実証的研究を行った。創造性の開発には先見性のある才能をあつめる必要があり、専門家集団による訓練と協業、さらにそれをシステム化していく能力が必要であることを明らかにした。 洞口・児玉・行本(2014)ではマレーシアにおける国際インターンシップにおいて収集したデータから、グループワークを行う学生の英語学習プロセスの解析を行った。短期国際インターンシップが英語プレゼンテーション能力の養成に一定の効果があること、その効果を高めるためには英語によるノート・テイキングの技法をインターンシップの事前学習として組み入れる必要があることが明らかになった。創造性評価を行うための教育評価方法としては、100点満点のような上限のある評価方法によっては、学生の潜在的能力を過小評価してしまうという課題の発見があった。洞口・児玉・行本の共同研究は、2014年度中にAcademy of International BusinessおよびAcademy of Managementにおける査読を経て、2015年度の世界大会における報告を許可されている。 李・行本は金との共著(2015)において中国金型産業の発展過程に関する研究成果を上梓した。日系企業、台湾系企業との合弁事業を行いつつ、国営企業改革と民営企業の成長が混流した状態を記録している。 松島(2014)はミャンマーの中小企業経営者に対するオーラルヒストリーによって、日本からの技術移転とそれを受容する政府と企業の対話能力についての分析を行った。入戸野は国際学会COMPSTAT 2014において学会報告を行ったが、これは松島の収集したトヨタの対米進出に関するオーラルヒストリーをテキストマイニングによって分析したものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、研究プロジェクトの初年度としてデータの収集と文献サーベイを重視した研究計画を立てていたが、研究分担者相互の努力により研究成果が公表されるに至ったため。査読通過の困難な国際的学会での研究報告が許可されているため。被験者の参加する実験的な共同研究についても順調に行うことができ、有益なデータを獲得することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
洞口・行本は、2014年度に行った大学発ベンチャー企業に関する調査研究の結果をまとめ、2015年度の日本ベンチャー学会での発表を目指す。洞口・児玉・行本は、2014年度に行ったマレーシアにおける国際インターンシップで収集したデータをもとに2015年6月にインドで開催されるAcademy of International Businessの全世界大会での報告を予定している。また、洞口は単独の論文を2015年8月にカナダで開催されるAcademy of Managementの全世界大会で報告を予定している。国際インターンシップで行ったように、被験者を特定した実験的な調査手法の開発は、本年度も継続して行う。 入戸野はアメリカ・UCバークレーでの在外研究の機会を得ており、テキストマイニングの分析手法について更なる高度化を行う。松島はアジアおよび日本の経験からテキストマイニングの対象とするべきオーラルヒストリーの取材を行う。前島は戦前期満州における雑誌記事のデータベースを作成し、テキストマイニングの基礎資料作成を目指す。 李はアジア諸国におけるロジスティック産業の分析を通じて、知識マネジメントの創発についての調査を行う。福田は事業部制を採用する企業へのインタビュー調査によって技術移転と知識創造との関連を研究する。児玉はGoogleとの共同研究の機会を得ており、教育におけるインターネット技術の利用とその観察について具体的な教材開発を行いつつ、実験的データの収集と分析を行う。
|