研究課題/領域番号 |
26245059
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
中澤 秀雄 中央大学, 法学部, 教授 (20326523)
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研究分担者 |
玉野 和志 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00197568)
西城戸 誠 法政大学, 人間環境学部, 教授 (00333584)
畑山 直子 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10732688)
森久 聡 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (20736649)
嶋崎 尚子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40216049)
大國 充彦 札幌学院大学, 経済学部, 教授 (40265046)
澤口 恵一 大正大学, 心理社会学部, 教授 (50338597)
木村 至聖 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (50611224)
島西 智輝 東洋大学, 経済学部, 教授 (70434206)
新藤 慶 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80455047)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 産炭地 / 鉱山研究 / 炭鉱離職者 / 労働運動 / 炭鉱主婦会 / 地域再生 / 産業遺産 |
研究実績の概要 |
本課題は日本国内の6炭田に加えて韓国・台湾の炭田も意識して東アジア産炭地研究の21世紀的バージョンアップを目指している。3年目は、他資金も活用して、韓国江原道と合同で日韓ワークショップを開催した(福岡県大牟田市、2016年8月20日)。以下の4班体制に分かれての活動であるが、全体会合を年2回開催して情報と課題の共有を図っている。 A. 政策技術班 上記ワークショップにおいて日韓石炭産業の政策・技術・地域社会の共通点や相違点について議論し比較研究の論点を定めた。石炭技術者への聞き取りについては、技術者OB団体と交渉を行い、対象者を選んで頂いたが、実際の聞き取り作業は次年度へ持ち越した。 B. 離職者班 ①三井芦別離職者追跡調査の準備的研究として、(社)北海道炭鉱離職者雇用援護協会が石狩炭田・夕張炭田の炭鉱離職者とその家族を対象に実施した「炭鉱離職者実態調査総括表」資料20点(昭和37年~平成7年)を収集し、その調査結果をデータベース化した。②日本における炭鉱離職者雇用対策の最初期における広域職業移動の実態把握を、炭鉱離職者援護会(後の雇用促進事業団)個票データを用いて行った。③加えて、協力者(張龍龍氏)を中心に、中国炭鉱における炭鉱労働者の戸籍移転ならびに閉山離職者の強制的炭鉱間移転(再就職)に関する基礎的調査を実施した。 C. 社会運動班 北海道空知地域の炭鉱(夕張、住友赤平、空知、三井芦別)における主婦会関係者の聞き書きを作成し、平成29年度には公表できる予定である。また、芦別市における女性(婦人)団体関係への聞き書きも実施し、炭鉱社会における女性(婦人)団体の活動内容とその付置連関を把握することができた。 D. 生活文化班 北海道赤平市および福岡県大牟田市にて、産業遺産の保存活用の実態と地域社会の動きを調査した。とくに前者の成果をリサーチペーパーとしてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1-2年目の土台のうえに、3年目の本年度では各班が具体的な研究課題を深掘りし、10本以上のリサーチペーパー等の成果が出始めている(産炭地研究会ホームページや早稲田大学リポジトリから取得できる)。前科研課題(No.21243032)からの継続事業である資料整理や炭田間ネットワークキングも順調に展開した。本課題が意識する国際化の面では、2016年8月に韓国江原道とのワークショップが開催され、台湾にも訪問した。ただし、本研究課題の申請書段階の金額からのカット率が高いこともあり、国外との交流については他資金獲得を前提にせざるを得ない状況がある。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」に記述した4班体制を維持し、研究課題を絞り込みながらリサーチペーパーや書籍・論文などの形で成果を蓄積し、旧産炭地の資源創造の役割を果たしていけるよう、引き続き努力したい。これら成果を各地の産炭地関係者と共有することも引き続き意識していきたい。韓国・台湾との交流を十全に進めるためには、本科研の財源規模では不足しているが、それでも2018年度には韓国江原道で「全国石炭産業関連博物館等研修交流会」を開催することが決まっており、本研究チームとして、これを積極的にサポートする。
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