本研究では、MEMS技術を活用してTEM用の高機能液体セルを作り、ナノスケールの液体中現象を「その場」観察した。高い機能を持つ液体セルに関しては、グラフェンの極薄膜を真空/液体隔膜へ適用し、液中で4nm以下の高い分解能を得た。またナノチャネルを集積した一体型液体セルを作り、EELS測定により流路内の水の存在を判定する客観的な検出方法を得た。さらに温度制御用のヒータと温度センサを内蔵した液体セルを作り、ヒータに通電することで溶液を85℃程度まで昇温できた。最後に生体分子の反応の観測として、抗体-抗原反応と、カリクサレン粒子が血栓を生成する際の凝固反応とを液中で観察した。
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