研究実績の概要 |
①ナノインプリントリソグラフィーを用い、線幅200nmのVO2ナノワイヤデバイスを形成した。通常の2D薄膜デバイスに比し、ナノ構造増感効果による非常に急峻な電流誘起絶縁体→金属スイッチを観測した。これによりデバイスの極小化およびスイッチングの急峻化により1/1000の省電力化を実現した。 さらに、パルスレーザ蒸着法(PLD)でテンプレート側面へ薄膜結晶を成長させる3次元ナノテンプレートパルスレーザ蒸着法(3DナノテンプレートPLD法”)により、直接ナノインプリント法の解像度をを超えた70nm幅のVO2ナノウォールワイヤおよび(La,Pr,Ca)MnO3ナノワイヤの形成に成功した。 ②さらに電界効果トランジスタデバイスとして、ナノインプリント法により、VO2ナノチャネルを有するのサイドゲート型エアギャップ電界効果トランジスタ(FET)構造を作成した。ナノチャネル幅は最小200nm、エアギャップ幅は400nmである。このナノデバイスおいて、大気中と乾燥N2中で電界誘起金属絶縁体変化に起因する抵抗変化を形成し、動作環境で異なる二つの動作モードが存在することを確認した。大気中においては、吸着水の電気分解により水素がVO2ナノチャネルにドープされ、それに伴い電子がドーピングされていることが機構であることを明らかにした。 ③巨大な電界を印加することが可能なイオン液体をゲート層として用い、強磁性半導体(Fe,Zn)3O4薄膜および磁場・温度誘起金属ー絶縁体((La,Pr,Ca)MnO3薄膜電界効果トランジスタ(FET)デバイスを作成に、印加電界により二つの動作モードが存在することを同様に明らかにした。すなわち静電的なキャリア変調効果と酸化還元に伴う物性変調効果である。併せてこれらは物質の組成および印加電圧の大きさによりモード選択が可能であることを示した。
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