巨大金属-絶縁体相転移VO2およびSmNiO3を用い、以下を達成した。 ●有機物誘電体(パリレン)/アモルファイル酸化物誘電体(TaOx)からなるハイブリットゲート層を、ナノインプリントで作成したVO2ナノワイヤに組み合わせた、ナノスケールFETを作製し高効率電界抵抗変効果を見出した。変調率は従来のバンド理論に比して極めて大きいことを見出した。また電子線描画リソグラフィーによりギャップ幅20nmのナノギャップ電極の作製に成功し、VO2薄膜の温度誘起金属絶縁体相転移が非常に急峻になることを見出した。 ●高温(約400K)で、金属絶縁体転移を示すSmNiO3においてイオン液体をゲート層とする電界効果トランジスタを作製し、電界による抵抗変調を観測した。X線光電子分光によりNiの価数を評価することにより、電界により誘起された酸素欠損が変調機構であることを明らかにした。 ●VO2 と原子層物質’(n型半導体MoS2およびp型半導体WSe2)を積層したハイブリットショットキー接合を形成し、n型MoS2との組み合わせにおいては整流性はほとんど観されず(オーミック特性近い)、p-型WSe2との組み合わせにおいて良好な整流作用を見出した。 ●VO2フリースタンディング構造(ブリッジ部分ワイヤ幅400nm)の作製に成功し、通常の薄膜に比して非常に小さい投入電力量で金属絶縁体相転移を生じさせることが可能であることを示した。
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