研究課題
本年度は、Si多結晶の固液界面における、固液界面不安定化および双晶界面形成に及ぼす結晶粒界の影響を明らかにすることを目的に研究を行った。Si多結晶の一方向成長過程の直接観察により、これらの現象を実験的に明らかにすることを目指した。固液界面不安定化については、平坦な固液界面が不安定化を起こす瞬間を直接観察することに成功し、固液界面の結晶粒界から不安定化が始まることが明らかになった。また、双晶界面形成については、結晶粒界における結晶成長挙動を詳細に観察した結果、一方向成長過程において、固液界面の結晶粒界部に{111}面で囲まれた溝が形成され、この溝部の融液が結晶化する際に双晶界面が形成されることを明らかにした。粒界部の溝の形成により、融液が局所的に高い過冷却度を有するため、結晶成長速度が粒界部で大きくなり双晶界面が形成されることが明らかとなった。また、一方向成長過程における2つの結晶粒界の衝突過程を詳細に観察した。2つのΣ3粒界が衝突すると、1つのΣ9粒界が新たに形成されるが、小角粒界とΣ3粒界が衝突すると、これらの粒界は消滅せず、お互いの粒界が貫通して発展していくことが明らかになった。さらに、これらの基礎研究の結果をSi結晶インゴットの成長技術へ反映させることにより、従来のCZ法で作製されるSi単結晶と比較して、高品質なSi単結晶インゴットが得られた。また、キャスト法による太陽電池用Si多結晶インゴットの成長技術へと反映させることにより、従来よりもキャリアライフタイム値が大きな結晶が得られた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Scripta Materialia
巻: 133 ページ: 65-69
10.1016
Applied physics letters
巻: 110 ページ: 062105-1-5
10.1063/1.4975814
http://www.xtalphys.imr.tohoku.ac.jp/