研究課題
In(x)Ga(1-x)Nは、InNおよびGaNの窒化物二元化合物結晶からなる三元混晶である。結晶組成(混晶中のInN組成)を変化させることにより光の波長として365nmから1700nmまで自由に変化させることができる。この三元混晶は上記のような優れた潜在能力を有する材料であるが、残念なことにInN組成20%以上の高品質結晶が得られていない状態である。本研究では、申請者らが考案した新しい原料分子を用いるTHVPE成長法により世界的にも実現していない全組成領域での厚膜・高品質なInGaN混晶の創成を目的として研究を行ってきた。本年度の研究目的および実績を下記に示す。1.成長条件と成長速度および成長組成の関係を明らかにする。:平成26年度から続けているInGaN混晶のTHVPE成長における熱力学解析を進め、成長温度、原料濃度および原料供給比と成長速度および成長組成の関係を明らかにした。その熱力学解析結果を参考に、実際の成長実験を行い、成長速度1-2ミクロン/時、InN成長組成30%までの結晶成長に成功した。2.最適な初期基板結晶の決定: 最適な初期基板結晶の探索を行いGaN自立基板結晶 -C面(000-1)が最適であることを明らかにした。 3.高品質厚膜結晶の作製: InN組成の増加とともに、InGaN混晶の格子定数が初期基板(GaN)の格子定数からずれ、結晶内に歪が生じることにより結晶欠陥が生成され、結晶品質が劣化する。このため、本研究では、例えば、1ミクロン単位で組成を少しづつ変化させ成長するステップグレード法を応用することにより、4ミクロンの高品質InGaN結晶の成長に成功した。このように1ミクロン以上の厚膜のInGaN結晶は世界的にも存在しないので、今後、量子効率100%の発光デバイスや60%以上の高変換太陽電池などのキーデバイスに貢献できると期待している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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