フェムト秒・ピコ秒時間領域での超高速構造変化ダイナミクスや構造相転移現象の観察は、新しい物質の創製・機能の発見に非常に重要である。本研究では、レーザー駆動型高周波電子銃を活用して、世界に先駆けて「相対論的フェムト秒電子線パルスを用いた超高速電子顕微鏡」を開発し、エネルギーが3MeV、パルス幅が100fsの超短電子線パルスによるポリスチレンや金のナノ微粒子の透過電子顕微鏡像の測定に成功した。また、電子線回折の測定では、単一の相対論的フェムト秒電子線パルスによる観測を実現し、今まで直接的に観測困難であった不可逆な構造ダイナミクスの研究を可能となり、様々な物質科学への新展開に期待される。
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