研究課題/領域番号 |
26246031
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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研究分担者 |
岩田 哲郎 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50304548)
橋本 守 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70237949)
木戸口 善行 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70294717)
埴淵 昌毅 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (80335794)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フーリエ変換分光 / テラヘルツ分光 / 赤外分光 / ガス分析 |
研究実績の概要 |
今年度は、近赤外(NIR)領域における周波数走査型離散フーリエ変換分光法(FS-dFTS)の実証実験を行った。NIR-FS-dFTSで用いるモード同期光パルス列は、キャリア(搬送波)成分を内包する超短光パルス列であるので、FS-dFTSの実験条件を満足するためには、その光源である1550nm帯デュアル・モード同期Erフィバーレーザーの繰り返し周波数frepおよびキャリア・エンベロープ・オフセット周波数fceoを十分に高い精度で安定化し、両レーザーのタイミングジッターを抑制する必要がある。そこで、産総研の光コムグループの研究協力のもと、狭線幅CWレーザーと高速制御を用いたレーザー制御手法により、高安定なモード同期NIRパルス列を生成した。このモード同期NIRパルス列を用いたNIR-FS-dFTS装置を構築し、Fabry-Perot共振器の特性評価に応用した。その結果、Fabry-Perot共振器のフリースペクトルレンジ566 MHzごとに線幅2.2 MHzの縦モード共鳴が観測され、frepで制限される通常のFTSの分解能48 MHzよりも高い分解能を実現できていることを確認した。更に、開発装置の広帯域スペクトル特性を利用することにより、フリースペクトルレンジは全スペクトル帯域においてほぼ一定であるのに対して、線幅は光周波数依存性を有していることを確認した。これらの結果は、キャリア(搬送波)成分を内包する超短光パルス列であっても、FS-dFTSの条件を満たせば、パルス列中の異なるパルスによって異なるタイミングで生成された過渡現象の信号列を1つの連続信号として時間的に接続することが可能であり、当手法の高い汎用性を示している。さらに、離散フーリエスペクトルの間隙部分をギャップレス化することにより、フーリエ変換赤外分光法の大幅な高精度化が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
NIR-FS-dFTSに関する実験を一通り完了し、更に、その成果を論文投稿して既に出版されていることから、極めて研究進捗が順調であったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、当初予定通り、FS-dFTSを近赤外領域に拡張することに成功した(NIR-FS-dFTS)。次年度は、CARS-FS-dFTSに関する可能性の検討を行うと共に、これまでに開発したTHz-FS-dFTSおよびNIR-FS-dFTSを各種のガス分析(燃焼ガス分析、呼気分析など)に応用し、その実用的優位性を実証する。
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