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2014 年度 実績報告書

テラヘルツ・ラマン円偏光二色性分光による高分子キラル高次構造の解明と対掌性の操作

研究課題

研究課題/領域番号 26246037
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

保科 宏道  国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 上級研究員 (10419004)

研究分担者 山本 茂樹  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60552784)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードテラヘルツ / 分光 / 円偏光二色性 / 高分子
研究実績の概要

我々は本年度主に,THz-VCD装置とVLF-ROA装置の開発を行った。
THz-VCD装置に関しては,フェムト秒モードロックレーザーを1購入し,テラヘルツ時間領域分光光学系を構築した.当初計画としては,26年度末までに高分子のTHz-VCDスペクトルの観測及び高精度VCD光学系の構築を行う予定であったが,平成26年7月、THz-VCD光学系の構築において、光学系の調整に専従していた研究協力者が、急遽自己都合で休職し、そのまま退職した。研究代表者が光学系の調整を引継ぎつつ、同様の知識を持つ新たな人材の確保に努めたが、高度な専門的知識と経験を必要とすることから適任者が見つからなかったため、研究に5ヶ月の遅延が生じた。
VLF-ROA装置の開発においては,装置の完成に向けた光学系の構築を行っている.2枚の極低波数用ノッチフィルターを自作のROA測定装置に組み込み,レイリ―散乱光の遮蔽を試みた。蛍光色素水溶液を測定し,測定限界波数が~20 cm-1であることを確かめた。
また,発展的研究として,高強度テラヘルツ円偏光をによるキラル分子制御の準備段階として,高強度テラヘルツ光がポリマー構造に変化を与えうるか,テラヘルツ自由電子レーザーと用いた研究を行った.様々なポリマー分子および液晶分子に高強度テラヘルツ光を照射し,テラヘルツ電場が分子のダイナミクスにどのような影響を与えるのか解明するための実験を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度,THz-VCD装置とVLF-ROA装置の開発を行った.当初計画としては,26年度末までに高分子のTHz-VCDスペクトルの観測及び高精度VCD光学系の構築を行う予定であったが,平成26年7月、THz-VCD光学系の構築において、光学系の調整に専従していた研究協力者が、急遽自己都合で休職し、そのまま退職した。研究代表者が光学系の調整を引継ぎつつ、同様の知識を持つ新たな人材の確保に努めたが、高度な専門的知識と経験を必要とすることから適任者が見つからなかったため、研究に5ヶ月の遅延が生じた。
VLF-ROA装置の開発においては,装置の完成に向けた光学系の構築を行っている.また,また,発展的研究として,高強度テラヘルツ円偏光をによるキラル分子制御の準備段階として,高強度テラヘルツ光がポリマー構造に変化を与えうるか,テラヘルツ自由電子レーザーと用いた研究を開始した.

今後の研究の推進方策

①THz-VCD 光学系の構築と VCD スペクトルの観測(理研)
THz-VCD の実現にはテラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)の原理を利用する.フェムト秒モードロックレーザーを半導体素子に照射して直線偏光のパルス THz 光を発生させる.THz 光は偏光の消光比を高めるためにワイヤーグリッド偏光子を通過後,サンプルに照射される.直線偏光は右円偏光と左円偏光の和として表されるため,吸収にキラリティが存在する場合,試料通過後の THz 光は楕円偏光になる.試料後にクロスニコル配置で置かれた偏光子を通過した THz 光を観測する.THzシグナル光はプローブパルス光とともに ZnTe 結晶に集光され,電気光学効果によってシグナル光の電場振幅を得る.THz 時間波形はプローブ光を時間掃引することで得られる.右回りと左回りの VCD 信号では時間波形の正負が反転するため,フーリエ変換後の実部と虚部の比較から円偏光二色性スペクトルが得られる. 構築した実験系を用いて右巻きと左巻きの高分子の THz-VCD スペクトルを測定する.試料として有機溶媒に溶かした PLA とポリアラニンの D 体および DL 体を用いる.これらの分子は溶液中でヘリックス構造を取る事が知られているが,その骨格振動モードは 1-4THz 付近にあると予想される.D 体と DL 体の THz-VCD スペクトルを測定する.
②VLF-ROA 実験系の構築と ROA スペクトルの測定 (阪大)
VLF-ROA 装置を開発する.左右円偏光レーザー(532 nm)を交互に試料に照射し,試料からのラマン散乱光を後方散乱配置で集光し,フィルタなど通過後,F/2 分光器により分光し,ペルチェ素子冷却 CCD で検出する.極低波数ノッチフィルタを用い,0.3-72 THz (10-2400 cm-1)の周波数領域を同時に検出する.構築した実験系を用いて,①と同様に高分子へリックス構造振動スペクトルを測定し,THz-VCDおよび量子化学計算の結果と比較
解析する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Higher order structure of macromolecules studied by Terahertz spectroscopy2014

    • 著者名/発表者名
      3.Hiromichi Hoshina, Hal Suzuki, Shigeki Yamamoto, Yukihiro Ozaki, Setsuko Yajima, and Chiko Otani
    • 学会等名
      SPIE Photonics Asia
    • 発表場所
      Beijing International Convention Center, Beijing China
    • 年月日
      2014-10-09 – 2014-10-11
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Higher Order Structure of Polymers Studied by Terahertz Spectroscopy2014

    • 著者名/発表者名
      Hiromichi Hoshina
    • 学会等名
      8th International Conference on Broadband Dielectric Spectroscopy and its Applications
    • 発表場所
      Wisla, Poland,
    • 年月日
      2014-09-15 – 2014-09-19
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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