研究課題
本研究の目的は、レーザー生成高速電子が物質を運動する過程で放つ高エネルギー制動放射X線により、二次的に発生する中性子の発数を向上させるとともに、時間分解中性子イメージング検出器を開発することにより、最終的に30cm厚さの鉄筋コンクリートの中性子ラジオグラフィの可能性を調べることにある。本年度における中性子発生に関しては、京都大学化学研・阪部研究室のT6レーザーを用いた光核反応中性子発生に関する実験を行った。高速電子の発生量ならびにスペクトル勾配温度を増すため、主レーザーパルス投入前にナノ秒の先行パルスを照射してプレプラズマを発生させる手法を試みた。その結果、500mJもの僅かなエネルギーで10^4個の中性子発生を得た。この値は将来100J繰り返しレーザーによる大型検体の中性子ラジオグラフィに必要とされるレーザー1ショット当たり10^6個を超える中性子数に匹敵する。平行して、ハニカム構造材に液体シンチレータを浸潤させたパネルからの出力画像をゲート付きCCDカメラ(ICCDカメラ)で撮像する「時間分解中性子画像装置」において、蛍光体からICCDカメラまでの光伝送効率を改善するための像転送用光学系の改善を試みた。この実験では大阪大学LINACを用いて制動放射X線ならびに光核反応中性子を発生させ、コンクリートやプラスティックブロック、水を満たしたバケツなどの撮像を行った。従来の手法に比べて改善は見られたが、さらなる「明るさ(出力信号の強度)」が必要であることも判明した。このため、アバランシュフォトダイオードアレーを用いた時間弁別機能をもった光検出器の開発の着想を得た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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