研究課題/領域番号 |
26247005
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
梅原 雅顕 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90193945)
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研究分担者 |
山田 光太郎 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10221657)
間下 克哉 法政大学, 理工学部, 教授 (50157187)
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
大仁田 義裕 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90183764)
小池 直之 東京理科大学, 理学部, 教授 (00281410)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特異点 / ガウス曲率 / 微分幾何学 / 半正定値計量 / 曲面 / 曲線 / 極大曲面 |
研究実績の概要 |
特異点をもつ曲線・曲面・超曲面の幾何学について,本年度は以下の成果を得た. 1.分担者の山田氏,連携研究者の國分氏,川上氏,藤森氏,Rossman氏らと,Jorge-Meeks型の空間的極大曲面族がすべて時間的曲面への解析的延長をもち,その延長は,固有埋め込み写像になることを証明した.この研究の発展として,小林曲面と呼ばれる極大曲面のクラスを発見し,その曲面族は時間的曲面への実解析的延長をもち,平面上の零平均曲率のグラフとして表されることの証明に成功した.2つの成果は,現在投稿中である. 2.安藤氏(熊本大)と大学院生の藤山氏との共同で,3次元Euclid空間内の正則曲面で,1点のみ C^1級で,その点での曲率線の流れの指数が任意の半整数値をとるものを構成した.これは,C^1級の臍点についてのLoewner予想の反例を与える.この成果は,現在投稿中である. 3.交叉帽子とよばれる特異点の「内的な特徴づけ」として,昨年度の筆者らの研究でWhitney計量の概念を与えたが,今年度は,分担者の山田氏,連携研究者の本田氏と直川氏との共同研究で実解析的なWhitney計量を与えると,3次元Euclid空間内の交叉帽子が存在し,その第一基本形式が,最初に与えたWhitney計量と同じテイラー展開をもつことを示し,応用として,交叉帽子特異点の可算個の内的不変量の構成を行った.この成果は,現在投稿中である. 以上の研究の推進・発展のため,研究代表者および分担者の山田・間下・橋本・大仁田・小池は,研究集会を開催し,このテーマに関連する研究者同士の研究交流を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最初に計画をしていた内容すべてに進展があったわけではないが,特異点の等長変形については,27年度の研究で飛躍的な進展をとげた.また空間的極大曲面における小林曲面と名付けた新しい曲面の族が,その時間的曲面への解析的延長により大域的グラフになる,という画期的な成果をあげることができた.
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今後の研究の推進方策 |
上記の成果をふまえ,今後はまず,特異点の等長変形については,ツバメの尾の変形による正規化の存在証明を目標とし,空間的曲面の型変化については,平均曲率が零という仮定をはずした場合にも,どこまで同様の議論が可能かについて研究を行う予定である.その他の研究課題については,そのまま研究を継続する.
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