研究課題
空間分布をもつ生態系個体数モデルや化学反応モデルについて、熱力学的構造に由来する相互作用から、見かけ上の特異性が解消して拡散力が主体となり、時間とともに空間的に均質化する状況を数学的に解明した。これらは捕食階層を記述するロトカ・ボルテラモデル、薬剤による駆除モデル、ウイルス感染免疫モデル、高等生物の棲み分けモデル、細胞分子相互作用モデル、多種化学反応モデル、発生による形態形成モデル、サンゴ礁を舞台とした走化性モデル、脳腫瘍形成における3変数マルチスケール相互作用モデル、など多岐にわたる。点渦系の平均場モデルについては3次元的に広がる渦糸系の多強度モデルにおける双対変分構造、緩和時間での多数点渦系運動のモデリング、1強度系の非退化性とモース指数計算、多強度系の爆発解の精密な挙動、その応用による臨界値でのTrudinger-Moser不等式の有界性と達成関数の存在・非存在の解明を行った。ま劣臨界楕円型方程式の解の先験評価、2重層ポテンシャルのスペクトル構造、空間に配された記憶形状ワイヤについてのモデリングと時間大域的弱解の構成を行った。以上の数学解析研究を裏打ちとして、細胞生物学における数理モデリングについての指標を与えて教科書として出版し、非局所項をもつ偏微分方程式の解析的研究、走化性・化学反応・ネットワークに関する数理モデリングと数学解析法を専門書として取りまとめて出版した。またこれらの方法を、様々な細胞生物学研究に応用した。点渦系の物理構造の解明では、2体相関関数が極限で消滅し平均場では無相関になるカオスの伝搬について、線形応答理論による搖動応答公式の分析から平均場方程式の線形化グリーン関数が関与していることを明らかにした。また分散波動系では各種のポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式の定在波の不安定性と爆発解の位相的関係について従来の結果を拡張した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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