研究課題/領域番号 |
26247014
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70204196)
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研究分担者 |
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
町原 秀二 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20346373)
和田出 秀光 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (00466525)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 調和解析 / 漸近解析 |
研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き、古典場の理論に現れる方程式としての相対論的場の方程式及び半相対論的場の方程式、またこの理論に深い関連を持つ臨界型ハーディーの不等式を対象として研究を行った。相対論的場の方程式として最単純モデルと考えられるクライン・ゴルドン方程式に関する最良双線型評価を多次元空間で検討した。特に、最良定数の決定、最良定数を与える函数のクラスの特徴付けを具体的に書き下す事が、最も興味ある問題である。昨年迄の研究代表者の研究成果により、空間一次元の場合は解決済みである。二次元以上では C.Jeavons の結果が公表されている。 本研究では、N.Bez と C.Jeavons との共同研究により、無質量の場合に上記問題に最終解答を与える事が出来た。双線型評価に現れる時空上の積分は、パーセバルの等式により、時空フーリエ変換された波動函数の積の特性多様体上の積分に書き換えられるので、この積分の評価が具体的な課題となる。本研究では(調和多項式に関する)ヘッケの公式と(特殊相対論に現れる)ローレンツ変換を組み合せる事によって、この計算を完遂させる事が出来た。 半相対論的場の方程式では、フーリエ制限法(ブルガンの方法)が有効に働く相互作用を見出し、その系の初期値問題の時間大域的適切性を有限電荷空間(L2空間)で証明した。また、単独系では通常の摂動論的枠組の限界を示す初期値の例を示し、半相対論系の線型作用素の持つ非局所性が本質的な困難を伴っている事を明らかにした。 臨界型ハーディーの不等式の研究では、従来の対数補正の更なる微細構造に相当する高次の多重対数補正を取り込んだ新しい不等式を見出し、証明を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画は予定通り順調に進んでおり、その段階で思いがけない着想が幾つか得られ、今後の進展に繋がる事が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究が順調に進展しているので、今後の推進方策に大きな変更は無い。
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