研究課題
青木:動的バーテックス近似(DGammaA)を超伝導に拡張して非従来型超伝導を調べた。これにより、バーテックス補正が超伝導に重要な寄与をすることを初めて明確に示した。これは超伝導体の理解だけでなく、バーテックス補正最適化により超伝導を増強するというヒントを与える(ウィーン工大との国際共同研究)。超伝導の励起状態においては、異方的ペアリングをもつ銅酸化物高温超伝導体における集団励起(ヒッグスモード)の理論を構築し、島野グループの実験と併せて、共同研究を遂行した。黒木:単一軌道系において超伝導が増強される模型として、ワイドバンドとナローバンドが共存する系における超伝導を理論的に調べ、様々な鎖模型に対して、フェルミ準位がナローバンド近傍のときに超伝導が増強されることを示した。このメカニズムによる超伝導を実現できる物質を理論的に探索し、Sr3Mo2O7を、青木との共同研究により提唱した。秋光:層状Ir酸化物Sr2-xLaxIrO4をメカニカルアロイ法を用いることによりLa固溶量を増大させた。μSR法によりLa量増加に伴いGriffiths相が発現することを発見した。バレンススキップ系Ag1-xSn1+xSe2では、超伝導体における異なるバレンス共存(Sn2+, Sn4+)をXPSにより初めて観測した。永崎:銅酸化物超伝導体における化学的圧力効果と軌道純化の検証のため、多層型高温超伝導体でSrのみによってCuO2面が隔離された系を初めて合成した(Tc>100K)。島野:テラヘルツ波ポンププローブ分光実験と非線形感受率計算との比較から、高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_{8+x}においてヒッグスモードの観測に初めて成功した。また、La_{2-x}Sr_xCuO_4の光励起ダイナミクスも調べ、Tc以下で強い光励起をしても超伝導が局所的に破壊されずに残ることを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 9件、 査読あり 17件) 学会発表 (57件) (うち国際学会 20件、 招待講演 15件) 備考 (1件)
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