研究課題/領域番号 |
26247091
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
岩森 光 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球内部物質循環研究分野, 分野長 (80221795)
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研究分担者 |
横山 哲也 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00467028)
中村 仁美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球内部物質循環研究分野, 研究員 (60572659)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マントル / 組成 / 半球構造 / カメルーン / カムチャッカ / 独立成分分析 |
研究実績の概要 |
アフリカ・カメルーンの火山列(CVL)の陸上部分、特にニオス湖およびOku火山地帯を含む領域の調査・試料収集を行い、全岩主成分、微量元素、同位体組成分析を行った。その結果、大局的には半球構造の西半球部分(IC2成分に乏しい部分)の代表であるCVLに以下の多様性を見出した:IC空間において、1. 量的にもっとも多く、IC1に富みIC2に乏しい典型的な西半球のプルーム由来マグマ(結果として、FOZO-HIMUに近いマグマ)、2. 量的には1.より有意にまれであり、負のIC1をもち、IC2は0付近から正値をとるマグマ、3. 両者の中間に位置づけられるマグマ、である。いずれもIC3の値は0付近から負値を示し、大陸地殻成分の影響は少ないことがわかった。これらは1.がプルーム由来成分、2.が大陸下リソスフェアに由来する成分、3.は両者の相互作用による生成物と解釈された。
これまでほとんど調査や試料採取がなされてこなかったカムチャッカ半島北端から付け根にあたる部分(およそ北緯59度付近に至る地域)において、系統的なヘリコプター輸送を併用した調査・試料採取を行った。また、前年までに採取されたカムチャッカ東端の単成火山群試料についての主成分・微量元素組成分析、および年代測定を行い、1Maより若い高Mg安山岩を含む活動があることを初めて明らかにした。
また、並行して、世界中の大陸内火山を含む若い玄武岩組成のグローバルデータベースの構築と解析を進め、半球構造の特徴に関する論文の執筆を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アフリカ・カメルーン周辺での政情不安定のため、予定していた調査を翌年度に繰り越し、これに伴って進捗がおくれ、Hfの同位体分析は行うことができなかったが、それ以外の分析や解析を急ピッチですすめ、おおむね予定通りの内容を達成することができた。これらの成果の一部は論文として公表され、また現在執筆中である。また、カムチャッカ半島については、予定通りに調査・試料採取を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
カムチャッカ半島北部の試料分析、年代測定を進め、半球構造境界の遷移の実態解明を進める。これらの分析や測定を円滑に進めるため、パート支援員を雇用して効率化を図る。得られた新データをグローバルデータに組み込み、半球構造の組成解析を進めるとともに、フォワードモデルによるIC構造の成因推定を進める。
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