研究課題
計画最終年度の本年度には、前年度に完成させた飛行時間型質量分析装置を真空チェンバにいれた状態で性能評価実験を繰り返し、シグナル強度と質量分解能の向上に必要な設定パラメーターの探索および電極形状の改修を行った。この改修により、岩石中の含有量が弱く正確な計測が難しい36Arの計測が成立させられる性能が得られ、40Arから大気成分を分別するために必要な36Ar計測の目処をつけることができた。さらに、アルゴン計測に必要な真空度は、二重のOリングを用いれば達成が可能であることを実験によって確認することができた。これにより大きなトルク発生機構と使い捨て部品を要するために重量的な負担の大きな金属ガスケット方式を用いずに火星表面環境でK-Ar年代を成立させられる目処がついた。さらに年度後半には、伊豆大島においてローバにLIBS装置と質量分析装置を搭載し、走行実験およびレーザー照射実験を実施した。その結果、本計画で整備した小型レーザーを用いることで十分な精度(S/N比)の信号を得ることができた。また、100kg級の中型ローバーへの悪路走行で生じる振動や衝撃が我々の開発してきた計測装置に大きな問題を引き起こさないことも確認できた。以上3つの実験の総括として、本研究計画で基礎開発してK-Ar年代計測システムは、基本的なスペックとして、日本が打上げを検討しているサイズのローバーへ搭載できる寸法や重量に収められて且つ十分な耐振動衝撃性能を持つ装置を組み上げることが可能であることが確認できた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件)
Appl. Spectroscopy
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Trans. Jpn. Soc. Aeronaut. Sp. Sci.
巻: 14 ページ: 89-94
10.2322/tastj.14.Pk_89
Science Advances
巻: 2 ページ: e1600157
10.1126/sciadv.1600157
Planet. Sp. Sci.
巻: 128 ページ: 14-29
10.1016/j.pss.2016.05.004
J. Geol. Geophys.
巻: 5 ページ: 1-15
10.4172/2381-8719.1000243
Meteo. Planet. Sci.
巻: 56 ページ: 906-919
10.1111/maps.12634
Space Sci. Rev.
巻: - ページ: -
10.1007/s11214-015-0227-y