研究課題/領域番号 |
26248019
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北川 宏 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90234244)
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研究分担者 |
前里 光彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60324604)
大坪 主弥 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90601005)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 金属錯体化学 / 無機固体化学 / ナノ化学 |
研究実績の概要 |
細孔空間の制御を目的としてピラー配位子をピラジンから4,4'-ビピリジンに置換した系について結晶配向性ナノ薄膜を構築し構造について検討した。まず、金基板上に4-メルカプトピリジンを用いた自己組織化単分子膜を形成させた。次に-60℃の条件下でlayer-by-layer法を用いてFe(BF4)2・6H2O、(TBA)2[Pt(CN)4] (TBA = tetra-n-butylammonium)、4,4'-ビピリジンのエタノール溶液に基板を順に浸漬する操作を繰り返すことにより、目的のFe(bpy)[Pt(CN)4] (bpy = 4,4’-bipyridine) ナノ薄膜を作製した。ラマン分光測定から、pyridine環由来、及びCNの伸縮振動に帰属されるモードがバルクと同様に観測され、目的のFe(bpy)[Pt(CN)4]ナノ薄膜が形成されていることが明らかとなった。さらに、放射光を用いて基板に垂直(面外)、平行(面内)方向のX線回折測定を行ったところ、面外、面内方向でそれぞれ独立な回折パターンが観測されたことから、得られたナノ薄膜が結晶配向性を有していることがわかった。ゲスト分子の導入に伴ってナノ薄膜が示す構造変化について、X線回折法によるその場観察を行い、その挙動を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Layer-by-Layer法を使用して種々の結晶配向性MOF薄膜の構築に成功し、X線回折実験と吸着実験からその構造について明らかにすることに成功した。また、本年度は目的の一つであった異種のフレームワークを接合させた新規結晶配向性MOF薄膜の構築にも成功し、特異な物性を観測することに成功した。この結果は研究課題である一方向のプロトン輸送に向けた重要な成果であると考えている
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今後の研究の推進方策 |
計画が予定通り順調に進んでいるので、予定していなかった内容も計画に盛り込んで、取り組む予定である。
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