研究課題/領域番号 |
26248038
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
早下 隆士 上智大学, 理工学部, 教授 (70183564)
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研究分担者 |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 教授 (40194021)
南部 伸孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00249955)
遠藤 明 上智大学, 理工学部, 准教授 (00119124)
橋本 剛 上智大学, 理工学部, 准教授 (20333049)
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研究期間 (年度) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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キーワード | シクロデキストリン / 疎水ナノ空間 / 糖認識 / アニオン認識 / 超分子複合体 / 光物性解析 / 光誘起電子移動 / 分子軌道計算 |
研究実績の概要 |
本研究では、超分子計測・分離システムの原理を独自技術として確立するために、代表者の分析化学グループに加え、計算化学を専門とする理論分子設計グループ(南部)、および物理学領域から光物性、非線形光学を専門とする光物理学グループ(江馬)との学際領域研究チームを組織し研究を行う。すなわち分子設計に必要な理論解析を強化することで、高性能な分子認識プローブを設計し、疎水ナノ空間包接場を提供できるシクロデキストリン(CD)誘導体、CDゲルおよびCD薄膜にこれらのプローブを導入することで、高度な動的分子識別機能を有する超分子計測・分離システムの開発を目的とする。平成27年度は、昨年に引き続き1)疎水ナノ空洞を有するCD誘導体およびCDゲルの設計、2)各種分子認識プローブの設計、3)超分子CD複合体の光物性解析、および4)計算化学に基づくCD複合体の応答特性解析を行った。 1)については、ジピコリルアミン金属錯体をCDに化学修飾することで、生理活性性物質であるATP に対して優れた認識機能を発現することを見出し、その機構解析を行った。2)については、クマリン型、アントラセン型、およびアゾ型の糖およびアニオン認識機能を有するプローブの機能解析を行った。また細菌計測への応用が可能であることも、明らかにした。3)については、異なるスペーサーのピレン型蛍光プローブの糖認識機能に対する蛍光寿命解析を行い、光誘起電子移動(PET)型応答の検証を行った。4)では、PET機構が起こる電子配置となることを、構造最適化および分子軌道と系のエネルギーを計算することで、PET機構を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に引き続き、平成27年度も申請計画通りの4つの課題について、修飾CD複合体の愛は通夜、新たな蛍光プローブの設計、光物性解析、分子軌道計算など、順調に進めることができた。またアニオン認識型の蛍光ナノ粒子を新たに開発し、細菌検出が可能であることも明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も申請計画に従って、循環型冷却装置(50万円以下)の購入、平成27年度に引き続き、4つの課題に対する研究を進める。また、修飾CD複合体、CDゲル設計、プローブ合成、およびその光物性と機能評価について、得られた結果を再検討し、超分子計測・分離システム設計のフィードバックを行い、平成28年度の研究計画の実効性を、共同研究者と確認しながら、研究を進める。
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