本研究では、非可食系バイオマスから新規で高性能なバイオマスプラスチックの合成と基礎物性評価を目的とした。木材抽出成分のキシランからポリ乳酸ステレオコンプレックス用の結晶核剤の開発に成功した。バイオマスベース基幹物質の一つであるグルカル酸を出発原料として、結晶性を有するグルカル酸エステルとグルカル酸アミドの合成に成功した。さらに、米ぬかから抽出されるフェルラ酸から2種類の共重合体の合成にも成功した。一方、微生物により生合成された超高分子量バイオポリエステルを、低分子量バイオポリエステルに少量混ぜることで、高強度繊維が作製できることを見出すとともに、その構造を大型放射光のX線回折により解明した。
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