研究課題
本課題では、2次元系(黒鉛型)及び3次元系(ダイヤモンド型)、(BN)1-x(C2)x(2次元系ではx=0~1、3次元系ではx=0~0.1, 0.9~1)の高品位結晶の合成を通じて新たなBCN系機能材料の創製を目指した。2次元系BCN結晶では、高圧合成で得た高純度六方晶窒化ホウ素(hBN)への炭素ドープによる特性の変化を明らかにした。高温度下での炭素の拡散により10E18~10E20atm.cm-3の炭素原子のドーピングがなされた。hBN本来のバンド端発光特性(波長215nm)は消失し、350nm及び600nm近傍に高輝度の発光が室温で観測された。これら波長350及び600nmのPLスペクトルは共同研究者(オーストラリア)よりシングルフォトンエミッション様の特性が見いだされており、ダイヤモンド中のNV-センターと同様の展開に興味が持たれる(磁気センサー、量子通信応用など)。2次元電子系のhBN結晶とグラフェンの組み合わせによる種々の電子デバイスの作成、評価を行った(国際連携研究)。ダイヤモンドアンビルにより10E21cm-3程度迄の高濃度ホウ素ドープ黒鉛の高圧下での相転換挙動を観測したところ、通常の黒鉛と異なる相転移圧(高密度相への転換)が示唆された。再現性の確保を含めてより詳細な評価が必要である。3次元系では、ダイヤモンド中へB,N同時ドーピングを行い、SIMS分析により成長セクターに依存した濃度分布を明らかにした。(100)セクターではB.N.濃度が10E17cm-3程度で平衡し、ほぼ無色の光学特性を呈した。炭素不純物濃度を10E17~10E20cm-3まで変化させたhBN結晶を調整し。これを精製した後に原料として立方晶窒化ホウ素(cBN)焼結体を高圧合成した。硬度に顕著な差異は見られないが,切削工具特性等の耐摩耗性の差異が期待される。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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