研究課題/領域番号 |
26249016
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
齋藤 隆之 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (10324328)
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研究分担者 |
松井 信 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90547100)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流体工学 / 混相流 / 気泡 / 超音波 / キャビテーション / ソノルミ / 時間分解計測 / 粒子分離・分級 |
研究実績の概要 |
1.高時間分解3次元音圧分布構造 開発中の音圧変動計測用光ファイバープローブの空間分解能と時間分解能を 高め、水槽内の脱気超純水中の音圧分布ならびに音圧変動の3次元特性と時間特性を明らかにした(国際誌に論文を投稿した)。 2.MBSL(Multi Bubble Sonoluminescence)とCOB (Cavitation Oriented Bubble Swarm)の高時間分解3次元分布構造 MBSLとCOBSの3次元分布と時間分解特性を同時計測により明らかにした。水槽内の位置によりMBSLとCOBSの発生がどう変化するかを、水槽内の屈折率変化の3次元分布を時間分解計測することにより把握した。これにより、屈折率変化の継続時間、音圧分布と屈折率変化分布との関係を明らかにした。以上により粒子分離・分級メカニズムのベースデータを取得した(一部を国際誌に投稿した)。 3.COBS内部ならびに外部に誘起される液相運動の高時間分解3次元構造 圧力変動データを基準として、COBSを構成する個々の気泡の3次元運動と界面振動を明らかにした。COBS周囲の液相運動を計測し、上記気泡運動とこれらの液相運動との関係を明らかにした(一部を国際誌に投稿)。また、気泡の再溶解過程を高精度に計測した(国際誌に掲載済み)。 4.ソノルミの発生・成長・減衰過程での高時間分解分光解析(時間分解分光計測と光ファイバープローブ音圧変動計測の融合 上記1と2の結果を基に、圧力変動を基準時間としたソノルミの高時間分解を行うために、カップリング計測手法を開発した。1psの時間分解分光計測を達成し、ストリークカメラとのカップリング手法を確立した(一部を国際誌に投稿した)。 なお、関連する研究成果により、研究代表者が高柳記念賞を受賞した(2014/12/14)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.音圧の3次元分布計測、音圧変動基準の実験が順調に進んだ(国際会議において論文発表済み)ことから、粒子凝集制御の実験が進み、粒子径ごとに分離させることに成功した(国際会議において論文発表予定、また国際誌に論文を投稿した)。 2.水槽内の屈折率変化の3次元分布を時間分解計測に成功し、屈折率変化の継続時間と気泡発生の初生を可視化計測することができた(国際誌に投稿した)。 3.液相運動を高い空間分解能と時間分解能で計測する空間フィルター粒子画像流速計の開発が進み、液相運動を計測することができた。 4.ストリークカメラとのカップリング計測を高精度に行う手法が確立された(一部を国際誌に投稿した)。
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今後の研究の推進方策 |
1.高時間分解3次元音圧分布構造 粒子の精密分離・分級の実用化を想定した数種類の水槽の音響特性を明らかにする。また、溶存ガス種をO2、CO2ならびに混合ガスとして、引き続きMBSLとCOBSの時間変化、水槽内の屈折率変化の3次元分布を高時間分解計測し、時間領域における現象に対する溶存ガス種と溶存ガス濃度の影響を明らかにする。 2.COBS内部ならびに外部に誘起される液相運動の高時間分解3次元構造 溶存ガス種をO2,CO2ならびに混合ガスとして、引き続きCOBSを構成する個々の気泡の3次元運動と界面振動、COBS内部と周囲の液相運動を把握するとともに、これらに対する溶存ガス種とその濃度の影響を明らかにする。 3.ソノルミの発生・成長・減衰過程での高時間分解分光解析 圧力変動を基準時間としたソノルミの高時間分解を行うカップリング計測を完成させる。ガス種をO2、CO2ならび混合ガスとして、気泡崩壊に至る過程を高時間分解分光計測により明らかにし、溶存ガス種と濃度による相違を明らかにするとともに、粒子凝集メカニズム解明に対する基礎データとする。 4.粒子表面における気泡生成過程の高時間分解計測 粒子グループ形成で重要な役割を担う粒子表面での気泡発生と成長メカニズムを、溶存ガス種ごとに明らかにする。粒子付着気泡間の音響相互作用を高時間分解計測し、音響相互作用と粒子運動との関係をガス種ごとに明らかにする。粒子グループ形成メカニズム、凝集メカニズムと液相運動との関係を考察する。さらに、溶存ガス種による相違、初期溶存ガス濃度による液相運動の相違を考察する。
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備考 |
関連研究により高柳記念賞を受賞(平成26年12月10日)
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