研究課題/領域番号 |
26249021
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高松 洋 九州大学, 工学研究院, 教授 (20179550)
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研究分担者 |
藏田 耕作 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00368870)
Wang Haidong 九州大学, 工学研究院, 助教 (30729405)
福永 鷹信 九州大学, 工学研究院, 技術職員 (60591196)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 不可逆エレクトロポレーション / 微小電極 / 低電圧化 / アジュバント |
研究実績の概要 |
研究計画最終年度となる平成29年度は以下に示す内容の研究を進めた. 1.実際の医療用デバイスのための微細電極エレクトロポレータの試作と実験 これまでの研究では,ガラス基板上にフォトリソグラフィー法によって微細櫛形電極を作製しエレクトロポレーション実験を行っていた.しかし,ガラス基板の折損や薄い電極(厚さ約50 nm)に電圧印加することによる溶断が発生することがあった.そこで,柔軟なポリイミドフィルム上に厚さ2ミクロンの銅箔が接合された基板をエッチングして新たな微細櫛形電極を作製した.電極の溶断を防止できただけでなく,平坦ではない試料に対してもフィットさせて電圧印加を行うことができるようになった.生体ファントム(線維芽細胞を分散培養したアガロースゲル)を用いてエレクトロポレーション実験を行ったところ,電圧50 V,パルス長さ0.1 ms,90回のパルス電圧印加で深さ0.4 mmまでの細胞を壊死させられることが明らかになった. 2.細胞膜穿孔に与える薬剤添加の影響 不可逆エレクトロポレーションでは,脂質二重膜から構成される細胞膜の両面に大きな電位差を与えることによって穿孔が生じる.界面活性剤などの薬剤を添加すれば,小さな電位差でも穿孔を与えることができると思われる.そこで,細胞懸濁液に3種類の薬剤(SDS,DMSO,エタノール)を添加し,平行平板電極によって電圧印加した後,細胞致死率を算出し,薬剤添加の影響を評価した.SDSは細胞毒性が高くて使用が難しいが,他の2つについては,DMSO10%,エタノール5%の添加によってそれぞれの細胞致死率を25%,30%増加させられた.また,生体ファントムを用いた実験では,細胞壊死に必要な電界(臨界電界:0.977 kV/cm)をそれぞれの薬剤の添加によって11%および31%減少させられ,薬剤添加による低電圧化の効果を示すことができた.
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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