研究課題/領域番号 |
26249024
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松野 文俊 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00190489)
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研究分担者 |
辻 瑞樹 琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
滑川 徹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30262554)
郡司 幸夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40192570)
大倉 和博 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40252788)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 機械力学・制御 / 群知能 / 自律分散制御 / 理論生命学 / 進化生態学 |
研究実績の概要 |
本研究では群れを成す生物の行動を観察結果に基づいてモデル化し、その行動原理の数理的解析を基に群れを操る制御理論を構築し、実際の群ロボットとして具現化することにより、生物学及び工学の両面から群れの本質に迫ることを目的とする。本研究では、 (A).理解:生物の群れの理解・(B).操る:群れを操る知性の探求・(C).創る:集合的知性の構成と群れの創成のアプローチで(1)群れ形成機能・(2)環境適応協調機能・(3)タスク分解・分業機能・(4)環境構造可変機能を理解して実現するために、研究を推進している。各研究成果を以下に示す。 (1) 群れ形成機能 (A).理解: 内的ゆらぎと再帰的群れ形成機構との関係の解析、(B).操る: 各個体の分散的意思決定則の導出と安定性・収束性の数理的解析、(C).創る: シミュレーションによる分散協調制御系アルゴリズムの有効性の検証 (2) 環境適応協調機能 (A).理解:スワームロボティックシステムに適切な人工進化手法やデータ解析方法を検討、(B).操る: センシング領域を導入した自律集散制御系の構築、(C).創る: 実機を用いた協調運搬実験による提案アルゴリズムの有効性の検証 (3) タスク分解・分業機能 (A).理解: アミメアリのシジミチョウ幼虫への随伴行動においてチョウが分泌する甘露にアリのドーパミンを操作し行動を制御する麻薬的効果を発見 及び トゲオオハリアリにおいて個体間接触が運動生起確率を変化させることを解明 、(B).操る: 分業行動則の提案とその有効性のシミュレーションによる検討 (4) 環境構造可変機能 (B).操る: モジュラーロボットへの行動則の検討、(C).創る: 任意の個体数のモジュラーロボットの任意の結合状態におけるモジュラーロボット群が歩行可能な分散的歩容生成アルゴリズムの検討
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際会議The First International Symposium on Swarm Behavior and Bio-Inspired Robotics (SWARM2015)を研究代表者が実行委員長、分担者がプログラム委員長、副実行委員長、副プラグラム委員長を務め、2015年10月28-30日に京都大学時計台ホールで200名以上の参加を得て成功裏に開催することができた。この国際会議で、本研究課題の進捗を広く報告するとともに、国内外の多くの研究者と意見交換ができ、順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であるので、研究の総括を行い、その成果を国際会議(SWARM2017)を開催して、広く報告するとともに、更なる発展につなげていく予定である。以下に今年度の進め方を示す。 (1) 群れ形成機能 (A).理解:内的ゆらぎと再帰的群れ形成機構との関係の解析、(B).操る:各個体の分散的意思決定則の改良 、(C).創る: 実機実験による分散協調制御系アルゴリズムの有効性の検証 (2) 環境適応協調機能 (B).操る:非均質な群れの群行動アルゴリズムの検討 、(C).創る: 性能の異なるロボット群の誘導制御に関する実機実験 (3) タスク分解・分業機能 (A).理解: 反応閾値モデルに基づいた数理モデルの導出、(B).操る: 分業行動則の提案とその有効性のシミュレーションによる検討 (4) 環境構造可変機能 (B).操る: モジュラーロボットへの行動則の改良、(C).創る: 任意の個体数のモジュラーロボットの任意の結合状態におけるモジュラーロボット群が歩行可能な分散的歩容生成アルゴリズムの有効性の実験的検証
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備考 |
2015年10月28日~30日に京都大学時計台ホールで開催した国際会議The First International Symposium on Swarm Behavior and Bio-Inspired Robotics (SWARM2015) のHPです。
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