研究課題/領域番号 |
26249033
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
河村 篤男 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80186139)
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研究分担者 |
元井 直樹 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (10611270)
藤本 康孝 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60313475)
下野 誠通 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90513292)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電気自動車 / 高効率変換機 / 1充電走行距離 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、高効率電力変換器(略してHEECS)における定常特性実験、力行回生運転法の構築およびT-PWAMでの基礎駆動実験などの基盤技術の確立を行った。 30kWモータドライブ用SiCデバイスによる10kWの2電源方式HEECSの設計試作を行った。まず、数百ワット出力の1象限チョッパから構成される2kW出力のHEECS構成で99.5%を超えるシステム効率を実験で確認した。次に、10kWの2象限SiCチョッパを製作し10kW出力時に効率98.1%を得、力行と回生は定常状態での動作確認を行った。このチョッパでのHEECS実験(効率99.3%以上)は次年度行う。 EVの過渡状態運転においては力行と回生が頻繁に切り替わるので、回生と力行が自動的に切り替わるようなトポロジーである2電源HEECSを実装して、定常状態で動作確認を行った。一方で2電源HEECSでは、2つのバッテリを有するので、そのSOCを同様な値に保つためのエネルギーマネージメント方法を検討した。その結果、回生を利用して2つのバッテリを充電する方法、HEECSの回路トポロジーを改良した2スイッチ法などを提案し、その特性をシミュレーションにより検討した。 モータベンチテストでは、NEDC(New European Driving Cycle)で走行できるよう改造した。さらに、既存のSAZZチョッパ電圧を制御して、高効率モータ駆動のためのT-PWAM制御を実装してモータテストベンチで、現有設備の制約から低速度域で実験した。また、この制御によりインバータ効率とモータ効率が向上することをシミュレーションにより確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに研究は進行している。研究計画で軌道修正した点は、2電源HEECSを中心に研究を進めている点である。これは、力行と回生をスムーズに行うためのもので、当初の計画では第2の回路方式をして記述してあるトポロジーである。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の研究はほぼ計画通りに遂行した。また、2年目もほぼ予定通り遂行できると予想している。最終年度目(3年間の最終年度)の実証試験として、EV試験車(KANA)を用いたシャーシダイナモ試験実施が当初計画されていたが、予算との関係から実現できるEV実査試験方法を検討している。
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