研究実績の概要 |
《平成27年度》 3. スペクトル観測による変調熱プラズマ状態把握 原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し一次元ICCD+分光器によりおもに可視光におけるスペクトル強度の時間変化を測定し,原料蒸気Ti, O励起原子, TiO分子挙動の変調波形依存性およびその変化を測定し,これら粒子の輸送を検討した。さらに原料同期投入する遅延時間を変更し,スペクトル強度への影響を検討した。 4.5. 変調熱プラズマによるナノ粒子生成試験 Ar-O2 変調熱プラズマにAl+Ti原料を10 g/min以上で大量投入し,Al-doped TiO2ナノ粒子の生成を試みる。変調条件を一定(Duty=80%, 変調率70-80%,変調波形は矩形波)とした。原料投入で間歇の有無で生成ナノ粒子の特性に相違が出るのかを探った。生成粒子を,SEM, XRD,TEM/EDX, XPS, BET,分光光度計により測定し粒径分布,結晶,組成,ドープ量,吸光特性,分散性を分析した。さらに紫外線遮蔽特性,UV,可視光照射時の活性酸素種発生の抑制効果を検討した。さらに原料変調投入タイミングに遅延を導入し,その影響を調査した。 6.原料間歇供給したAr-O2変調熱プラズマにおけるTiOスペクトル二次元観測とTi, TiO輸送現象の把握 Ar-O2プラズマに原料Ti+Al粉末を投入するとTi,Alが蒸発し,酸素と結合してTiO2の前駆体TiOを気相で生じる。これを2次元イメージング分光器を用いた分光観測から,TiOの生成タイミング・生成場所とその輸送現象を把握することを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は,まずは主にナノ粒子生成時における熱プラズマトーチ内の性状把握を目的としてスペクトル観測を行った。原料を変調同期投入する状態における熱プラズマに対し一次元ICCD+分光器によりおもに可視光におけるスペクトル強度の時間変化を測定できた。原料蒸気Ti, O励起原子, TiO分子挙動の変調波形依存性およびその変化を測定でき,これら粒子の輸送を検討した。さらに様々な変調条件のAr-O2 変調熱プラズマによりナノ粒子生成実験を行い,変調条件依存性に関するデータを取得できた。また原料間歇供給したAr-O2変調熱プラズマにおけるTiOスペクトル二次元分光観測を改めて行い,TiO分子生成とTiO輸送現象の一端を確認できた。
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