研究課題/領域番号 |
26249048
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小田 俊理 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 教授 (50126314)
|
研究分担者 |
小寺 哲夫 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00466856)
河野 行雄 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 准教授 (90334250)
|
研究期間 (年度) |
2014-06-27 – 2017-03-31
|
キーワード | シリコン量子ドット / ナノ結晶シリコン / ナノワイヤ / 結合量子ドット / スピン量子ビット |
研究実績の概要 |
ナノシリコン量子ドット、ナノワイヤの作製、評価および量子情報デバイスの集積化を目指す研究を行い、以下の成果を得た。 1.VHFプラズマセルによるナノ結晶シリコンの粒径微細化、均一化、高成長速度を目指した研究を行い、パルスガス供給時のプラズマ発光スペクトル変化と結晶粒径との間に相関があることを発見し、成長プロセスモニターに利用出来ることを示した。さらにオリフィス径の拡大とプラズマセルの小型化によりガス滞留時間を短縮してナノ結晶シリコン粒径を5nm以下に縮小化した。従来のプラズマセルでは粒径の縮小化に伴い堆積速度が激減したが、改造後のプラズマセルでは堆積速度の現象はわずかにとどまった。 2.VLSCVD法によるGeナノワイヤに低温成長CVD法によりSiシェルを形成したデバイスを作製し、電気特性を測定した、Ge中の正孔がSi障壁に閉じ込められたp型伝導を観測した。アンドープのGeナノワイヤでp型伝導を観測したのでヘテロ接合による変調ドーピング効果があることを実証した。さらに熱電素子を作製し、従来の材料以上の性能が期待できることを実証した。 3.電子スピンの制御を目的としてシリコン2重結合量子ドットに単電子トランジスタ電荷センサを集積したデバイスを作製し、量子ドット中の少数電子数をカウントすることに成功した。垂直エッチングプロセス条件を改良して量子ドットの縮小化に成功、界面トラップ準位を激減させて良好な電荷安定状態図を得ることに成功した。強磁性体により静電結合強度を増大できることを発見した。また、パルス測定によりパウリスピンブロッケードを観測するとともに、スピンコヒーレント時間が2ms以上と長い事を実証した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空調工事のため2ヶ月間クリーンルームが使用できなかったが、H26年度予算をH27年度に繰り越して使用した結果、所定の成果を上げることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
1.ナノ結晶シリコンアレイで電気特性を測定するためには、粒径と表面酸化膜が制御された粒子の配列制御が必要である。ディップコーティング法による2次元粒子アレイの作製で問題であったストライプ構造の形成の問題を電気泳動法の採用により解決する。 2.Geナノワイヤによるトンネルトランジスタの作製と電気特性評価 3.多重結合量子ドットデバイスにおけるスピン制御による量子ビットの実現
|