研究課題
(1) 埋植デバイス高性能化:ChR2 を導入した遺伝子改変マウスを用いた光刺激と光受信(蛍光検出)の双方向通信を実現した.更に,長期埋植に関するデータを解析し,埋植によるダメージの低減を図り3か月の長期埋植を実現した.光刺激チップについても昨年度施策したチップの基本的な動作実験等を実施するとともに,光刺激と蛍光計測と更に電気計測を実現できるチップの検討を行った.(2) ネットワーク回路との双方向通信:前年度に引き続き複数部位における神経活動の解析を行い,ネットワーク回路としての特性を評価した.GAD67遺伝子改変マウスとTH遺伝子改変マウスを用いることによりアルコール導入による扁桃体,側坐核,VTAでのGABAやドーパミンの発現をマイクロフォトニックデバイスにより計測し,更に扁桃体と側坐核の2か所での同時計測に成功した.アルコール摂取をさせた直後と長期化摂取してアルコール依存症となった場合とでのこれらの部位での応答の違いの計測にも成功した.この結果は本センサが報酬系におけるネットワーク形態の計測に用いることができることを示している.(3) 生体外通信方式:前年度から引き続き光による生体外通信方式について検討を進め,パルス幅変調方式を用いることで,高性能化と小型化を実現するとともに,テトラゲルファイバを用いた光通信についても検討を行い,実際にマウスを用いた画像伝送実験に成功した.またRF無線通信を実現するチップの設計も行った.
2: おおむね順調に進展している
当初予定の3つの項目,1.埋植デバイス高性能化,2.ネットワーク回路との双方向通信,3.生体外通信方式の各項目について,当初の計画に沿った内容の成果を得る事が出来たため.なお生体外通信方式は,当初の計画になかったRFではなく光で行うことを進めているが,同様な公開を発揮する方式であり問題ないと判断している.またRF方式も同時に研究を進めており,これらから判断して順調に進展していると判断する.
(1) 埋植デバイス高性能化:前年度実施した光電子双方向通信について特性改良を行い,デバイスとしての完成度を上げていく.特に引き続き低消費電力化に考慮した回路設計等を実施していく.マイクロフォトニックデバイスの最終形態を仕上げていく.光電気刺激機能集積化チップと刺激機能を別チップとした2 種類のアプローチを継続し,実現可能性の検討を行う.(2) ネットワーク回路との双方向通信:前年度に引き続き複数部位における神経活動の解析を行い,ネットワーク回路としての特性を評価する.(3)生体外通信方式:前年度開発したマウス搭載可能な小型・軽量な無線システムの完成を目指して引き続き実験を行う.無線電力システムを引き続き検討し,ラットへの搭載を行うなど基礎的な実験を開始する.無線電力供給システムは,ボタン電池等をマウスに搭載し,自由行動を妨げないようなシステムを構築する.
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 6件、 招待講演 7件)
Proc. IEEE
巻: 105 ページ: 158~166
10.1109/JPROC.2016.2585585
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 56 ページ: 057001-1~7
10.7567/JJAP.56.057001
The Journal of Engineering
巻: - ページ: 1~3
10.1049/joe.2016.0311
Sensors and Materials
巻: 28 ページ: 1317~1327
10.18494/SAM.2016.1293