研究課題
腫瘍組織のpHを可視化する電子スピン共鳴(ESR)イメージング法の開発を進めた。その結果、水溶液サンプルでpH分解能0.1以下の三次元イメージングに成功した。また、正確度 < 0.05 pH unitsを達成し、十分な精度でpHイメージングを行えることを示した。後肢に腫瘍を作製したマウスを用いて、腫瘍組織の細胞外pHイメージングを行った。腫瘍成長過程でpHが低下する様子を検出することに成功した。また、三種類のヒト由来膵管がん細胞(MIA PaCa-2、SU.86.86、Hs766t)を後肢に移植した腫瘍モデルマウスのpHイメージングを行った。細胞の種類により、pHの低下が異なることをpH画像により示した。酸素分圧のイメージングについて、前年度に引き続き酸素分圧と酸素感受性プローブ濃度を求める実験を実施した。ESR計測時の磁場掃引の線形性改善と画像再構成計算法の改良により、緩和時間T2*の計測精度を改善することができた。緩和時間T2*の標準偏差を平均値の約1%とすることができた(例えば、平均値150 nsに対して標準偏差1.5 ns)。SCC VII腫瘍モデルマウスの酸素イメージングを行ったが、酸素感受性プローブが腫瘍中心部に十分に送達されず、ESR信号強度が十分に得られなかった。全体として、更なる酸素分圧の計測精度が必要であるとの結論に至った。腫瘍モデルマウスのpHイメージングとプロトン核磁気共鳴イメージング(MRI)のマルチモーダルイメージングを行った。腫瘍部位をMRIで可視化し、pH画像を重畳し、腫瘍内のpH低下を明らかにすることに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Magnetic Resonance
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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