研究課題
基盤研究(A)
低温環境に置かれた岩質材料の伝熱特性について検討した.供試体レベルの冷却試験では直径50 mm高さ50 mm の円柱供試体と,直径50 mm および100 mm の球状供試体を用いた.実験では中心と側面において時間経過に伴う温度変化を計測した.解析では円柱および球状供試体の冷却試験に厳密解を適用し,熱伝達境界を適切に設定することにより伝熱特性を精度良く表現できた.さらに数値解析においても0℃付近で温度低下が停留する状況を再現することが出来た.また,凍結管周辺の流れ挙動を室内実験により検討し,凍結領域が進展する様子を可視化することに成功した.これらの成果を実地盤に適用することが期待される.
岩盤力学
地盤内の非定常な凍結融解現象を正確に表現するためには,現象の支配方程式を解く上で必要となる境界条件の選択が非常に重要である.本研究では実験室内で岩石供試体を用いて凍結融解試験を実施し,岩石中心部分の非定常な温度変化を表現するためには境界条件として熱伝達境界が最適であることを確認した.この結果は供試体レベルのみならず,凍結融解状態に普遍的に適用できるものである.さらに,凍結融解現象の数値解析を実施することにより,流れ場に置かれた凍結管周りの現象を表現できる事も確認できた.