研究課題/領域番号 |
26249106
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東田 賢二 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70156561)
|
研究分担者 |
田中 將己 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452809)
森川 龍哉 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00274506)
定松 直 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (10709554)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 電子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
結晶性固体材料の破壊物性研究を革新する鍵は,亀裂とその先端近傍のメゾスケール空間に広がった応力集中影響領域での結晶格子欠陥(特に転位)集団構造を高精度に可視化し,それをモデル化することにある.当研究では高い電子線透過能と分解能を兼備した分光結像-超高圧透過電子顕微鏡法にトモグラフィーを融合し,従来域を超えた厚さ5ミクロン以上のnear-bulk試片中の三次元TEM結晶構造解析に挑む.更に,離散的転位動力学シミュレーションとそれに必要な力学パラメータ取得のための材料試験に取り組み,巨視的破壊靭性値の物理的意味を,亀裂-転位間相互作用という微視的観点から理解するマイクロ・フラクチャーメカニクスの確率・発展を図る.本年度はJEOL-1300NEFおよび高傾斜回転ホルダーを用いたSi結晶結晶中超高圧電子線トモグラフィーを行った.更に収差補正付きの高分解能電子顕微鏡を用いて転位近傍の格子歪場測定法の確立を行った.試料には膜面が(110)のシリコン単結晶を用い,高温三点曲げ試験によってノッチ先端から転位を発生させた.その試料を,手研磨の後にPIPSを用いて薄膜化する.ただし,PIPSで単純に薄膜化したのみでは,イオン照射によるダメージで像質の低下がまぬがれない.そこで,体加速イオンミリング装置を用いて最終仕上げを行い薄膜化で避けられないダメージを劇的に軽減した.膜面に垂直に導入された転位の高分解能観察を行い転位芯周辺の原子の平衡位置からの偏倚を計測し,格子歪場の測定を行った.その結果,観察像と解析像に良い一致が見られた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であった,高分解能電子顕微鏡による転位コアの観察が達成されったため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後はFIBを用いてマイクロビーム試験片を作成し,力学学試験の後にHVEM観察することによって,マイクロフラクチャーメカニクスの確立を進めていく.
|