高効率火力発電やジェットエンジン用タービンブレードを開発するためには,数値シミュレーションを用いた鋳造技術の開発が必要であるが,シミュレーションに必要な溶融合金の熱物性は,測定が困難でほとんど整備されていないのが現状である.本研究では,静磁場を重畳した電磁浮遊法をNi合金に適用し,溶融Ni合金の熱物性(密度,熱容量,熱伝導率,放射率)を広い温度範囲で高精度に測定できる技術を構築し,これら熱物性値を温度と組成の関数として測定した.密度や熱容量の組成依存性は理想溶体モデルと比較しその過剰量を算出した.また,熱伝導率については自由電子モデルと比較して検討し,フォノン伝導の寄与を確認した.
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