研究課題
H30年度は,Membrane-on-Membrane(MoM)シートを開発のための戦略を明らかにした.(1)基盤性材料としてのMoMシートの設計ならびに微小物性の評価、(2)機能誘導するためのコアユニット(LIPOzyme、発展させて、分子認識・変換機能を誘導できる膜場)の設計について検討した。特に、膜場界面の微細特性の解析法(例 高感度ラマン解析、蛍光表層水和解析など)および膜場機能の評価法(例 L-Pro触媒、相間移動触媒反応による判定)に取り組むとともに、(1)と(2)を満たすMoM材料を開発した。(a) クライオゲル:多孔性のクライオゲルを基盤材料として、リポソームを高密度に固定化したハイドロゲルを作成し、アミノ酸(L-/D-Trp)の光学分割に応用できることを示した。(a)'単分子膜修飾クライオゲル:さらに発展させて、材料内部の固液界面にリン脂質の単分子膜を固定化させた新規なゲル材料を調製し、固定化した「膜場」の安定性を高度に維持しながら、前述した光学分割能を誘導できる材料を新規に開発した。(b)Cubosomalゲル:脂肪酸/モノオレイン集合体の界面物性/内部物性を定量的に評価した結果、分子集合体表面/内部の界面は、リポソーム/ベシクル膜と同様の高度に秩序化された構造を持つことが示され、また、共連続的な構造を有する可能性が示された。Cubosomalゲルで、分子認識能あるいは分子変換能(界面に配向した4級アンモニウム触媒による不斉的変換能)を誘導することを示した。上記3つのケーススタディを通じて、ミクロスケールの分子群が自己組織的に集積化して形成されるメソスケール「膜場」の特性ならびに機能を独自解析手法を用いて定量的に評価し、それを活かしたままマクロスケールの材料を調製し、各種の応用(例 光学分割、不斉的分子変換(一部材料))に展開する指針を示した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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