研究課題
プラズマ中の閉じ込めを劣化させ、ダイバータ板などの損傷を招く周辺部局在化モードの外部摂動磁場による制御は世界中で広く行われている。どのようなメカニズムで制御されているかは現在でも明らかになっていない。摂動磁場とプラズマの相互作用が複雑であるため有効なモデルを選ぶことも難しい状況にある。摂動磁場が浸透するとプラズマ中の有理面と呼ばれる場所に電流が流れる。この電流によるプラズマの変形が最も計測にかかりやすいと考える。プラズマを対称な位置から観測することにより、対称性を破る微小変形を計測する計画である。実験は米国のDIII-Dトカマク装置(トロイダルモード数n=2, 3)と韓国のKSTARトカマク装置(n=1)で行う。DIII-Dトカマクで、本アイデアに基づく実験提案を行い計測器の取り付けが認められて、トロイダル方向に120度離れた位置に設置された。今後DIII-D装置のn=2の外部摂動磁場を使った実験を行う。KSTAR装置に対してもVUVカメラを構成する一部の実験機器の送付を開始した。大型ヘリカル装置においては圧力勾配によって駆動されるコア密度勾配という現象の研究を行い、現象の前置振動の空間構造を詳細に検討した結果、ヘリカル系のプラズマ閉じ込め装置特有の高nバルーニングモードによるものだという実験的な確証を得た。また、空間的に局在化したバルーニングモードが、プラズマ全体に影響を与えるのは、バルーニング変形をした磁気束が一気にプラズマの外に吐き出されるとい実験的な傍証を得ることができた。トカマクにおける周辺部局在化モードに対応するものであり相互比較を行いつつある。
3: やや遅れている
米国と韓国の実験装置に計測機器を取り付ける計画のため、先方の許可を得て、実際の設置位置を確保するのに予想より時間がかかってしまった。
研究の実施の遅れはあるものの、ほぼ狙い通りの計測機器の設置が可能になりつつあり、実験の速やかな実施を行う予定である。
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