研究課題/領域番号 |
26249144
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
大舘 暁 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00270489)
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研究分担者 |
鈴木 康浩 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (20397558)
山本 聡 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70397529)
河村 学思 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70509520)
榊原 悟 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (90280594)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 磁気島 / 共鳴摂動磁場 |
研究実績の概要 |
外部摂動磁場と、プラズマの相互作用を測定するためのイメージング計測装置の開発が本研究の大きな目的の一つであり、本プロジェクトで開発した新しいタイプの計測装置が米国のDIII-Dトカマクで動作を開始した。プラズマをトロイダル方向に離れた2か所から観測することで、プラズマの変形を直接観測することができた。特に、プラズマが自発的に磁気島を生成する場合の計測に成功した。プラズマに不純物を入射後に観測されるプラズマのディスラプションの前にはポロイダルモード数m=2/トロイダルモード数n=1 の磁気島が生成されることが知られているが、我々の計測により、m=3/ n=1, m=4/ n=1のより小さな磁気島が同時に生成されていて、m=2の磁気島が成長することでm=3、m=4の磁気島とオーバーラップし、プラズマコア部からの急速な熱の掃き出しが生じてディスラプションの原因になっていることが明らかになった。これまでの計測では、このような空間的に固定した(非回転)の磁気島の計測は難しく、画像計測を使うことでその困難を乗り越えることができた。非回転磁気島の径方向の構造を明らかにしたのは世界で初めての観測であるといえる。このほかにも、DIII-Dトカマクの外部摂動磁場実験時に計測データの取得を行っており、当初の目的である外部摂動磁場による磁場構造の変化についての今後解析が進むことが期待できる。KSTARトカマクに設置予定のVUVカメラシステムについても、先方との交渉を引き続き行い、ポート接続部の詳細設計に進むことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を形成する二つの計画のうち、DIII-Dトカマクに設置する2次元軟X線カメラは、粘り強い交渉の結果実験に入ることができ、測定を開始した。解析も進みつつあり、予定された実験をほぼ行うことができた。もう一つのプロジェクトであるKSTARトカマクのVUVカメラシステムは、接続用ポートの確保が難航しており、予定よりも遅れてしまっているが、2018年には実験を開始できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
DIII-Dトカマクでの実験データの解析を進め、外部摂動磁場が存在する場合の平衡計算との比較を行う。平衡計算の結果と、プラズマの安定性の評価との比較を行い、外部摂動磁場が印加された状態でのプラズマのMHD的な不安定性についての研究を進める。KSTARトカマクの実験は、可能な限り早期の実験開始を目指す。VUVカメラによるプラズマの最外殻の形状データからプラズマの平衡を推定する手法の研究を進めて、外部摂動磁場とプラズマの相互作用の物理についての理解を大きく前進させる。
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