研究課題/領域番号 |
26249151
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
児玉 竜也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60272811)
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研究分担者 |
金子 宏 宮崎大学, 工学教育研究部, 教授 (90323774)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 太陽熱 / 水素 / 水分解 / 反応器 / 再生可能エネルギー / 熱化学プロセス / 太陽集光 / 触媒 |
研究実績の概要 |
太陽集熱による水熱分解反応器の開発を2つの反応器コンセプトで行っている。27年度は下記の研究成果を得た。 発泡体デバイス式ソーラー水分解器の開発については,①新たに設計した円錐型の発泡体デバイスを作製し,これを改造したソーラー水熱分解器に搭載し,韓国エネルギー研究所(KIER)所有の太陽炉を用いて,円錐型発泡体デバイス式ソーラー水熱分解器の水分解性能試験を行った。その結果,従来の平面型発泡体デバイスと比較して,非常に安定したサイクル反応性が実証できた。これはより均一な温度分布が太陽光照射時に円錐型デバイス上で実現できたためと推察された。 流動層式ソーラー水分解器の開発については,②30~40kWth反応器システムを,新潟大学に設置したキセノンアークランプによる大型サンシミュレータと宮崎大学に設置した太陽集光システムにそれぞれ設置した。③新潟大の大型サンシミュレータでは疑似太陽集光照射によって流動層を1300~1700℃まで加熱できる反応条件を見出した。④宮崎大学のビームダウン太陽集光システムでは,12月に太陽集光照射による流動層加熱試験を初めて行った。12月の比較的弱い太陽日射量でも1100℃まで流動層を加熱できることが実証できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度の交付申請書にある研究実施計画のほぼ全て実施した。
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今後の研究の推進方策 |
発泡体デバイス式ソーラー水熱分解器の開発については,反応デバイスの高活性化を目指し,デバイスに担持する反応性セラミックに他金属をドープする。他金属ドープ型の小型デバイスを小型サンシミュレータで反応試験した後,高活性な反応デバイスについて大型の円錐型発泡体デバイスを作製,これを搭載したソーラー反応器を韓国エネルギー研究所(KIER)の太陽炉でソーラー反応試験する。 流動層式ソーラー水熱分解器の開発については,大型サンシミュレータで反応性セラミック流動層の疑似太陽集光照射による二段階水熱分解サイクルの反応条件を詳細に検討し,反応効率を最大限に高める反応条件を見出す。また,反応性セラミック粒子を約100マイクロメートル級で球状に合成できる合成法を検討し試作する。この粒子ができれば,少ないガス流量でも十分速い流動層を得ることができ,太陽集光照射によってより高温が達成しやすくなる。さらに太陽集光濃縮装置(CPC)を改良し,流動層への集光エネルギー量の増大を目指す。最終的に宮崎大学のビームダウン太陽集光システムを用いて,設置済みのソーラー反応器を用いてサイクル反応の鍵反応である高温熱還元ステップのソーラー試験を行い,その効率を明らかにする。
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