前頭前野領野間の相互作用を検討するため、ルールを頻繁にスイッチする認知制御要求の高い課題を遂行中のマカクサルの前頭前野の複数の領野から電場電位の同時記録を行い、またウィルスベクターを用いた投射特異的機能ブロック法の開発をしてきた。記録実験においては、前帯状溝皮質、主溝領域、尾状核頭部が試行の初めの注視期と試行間隔期(2秒間)に低ベータ周波数帯(~15Hz)の信号を増加させ、これらの周波数成分は3領域の間で同期していた。同期活動の増加は、この時期に3領域の間で信号のやり取りが盛んに行われていることを示唆した。
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