我々はこれまでマウスにおいては肥満に伴い増加する腸内細菌が作る代謝産物の一つである二次胆汁酸が肝星細胞に細胞老化とそれに伴うサイトカインの分泌現象(SASP)を引き起こすことで肝がんの発症を促進していることを法臆してきたが、その詳細なメカニズムは不明であった。今回我々は主に以下のことを明らかにした。(1)肥満するとコレステロールの摂取量が増え、一次胆汁酸の量が増加する。多くの腸内細菌は一次胆汁酸に抵抗性を持たないため、高濃度の一次胆汁酸の存在下では増殖出来ず、結果的に二次胆汁酸産生菌等一次胆汁酸に耐性を有する菌が選択的に増える。(2)二次胆汁酸はリポタイコ酸と協調することでSASPを誘導する。
|