研究課題
胞巣状軟部肉腫・CIC-DUX4肉腫・滑膜肉腫・Ewing肉腫の4つのマウスモデルについて研究を進めた。胞巣状軟部肉腫で頻繁に観察される血管侵襲は、腫瘍細胞による血管内皮に対する透過性の亢進が重要で、この機能をASPSCR1-TFE3標的遺伝子GPNMBが制御している可能性が示された。TFEファミリー遺伝子とASPSCR1との融合遺伝子間における発がん機能の比較から、TFE3とTFEBにのみ肉腫誘導機能が確認された。発がんに重要な機能モチーフと特異的共役因子の同定を進めている。CIC-DUX4肉腫モデルの遺伝子発現解析から、Ccnd2、Ret、Bcl2の腫瘍増殖において重要であることが示唆され、これらの特異的阻害剤による増殖抑制効果を確認した。また、in vivoにおける腫瘍抑制効果を検討し、トラベクテジンの有効性が明らかになった。滑膜肉腫の発生と進展においてSYT-SSX1に協調する遺伝子としてmiR214を同定していたが、miR214は腫瘍随伴性マクロファージを誘導し、腫瘍微小環境の改変を惹起することが示された。Ewing肉腫の原因遺伝子EWS-FLI1による遺伝子発現制御機構を明らかにする目的で、グローバルなDNA結合をChIP-seqにより解析した。マウスEwing肉腫においてもEWS-FLI1は(GGAA)nマイクロサテライト配列やETS結合配列を認識していることやエンハンサー領域への結合が示された。一方、(GGAA)nマイクロサテライト配列はヒトとマウスで共通する領域に必ずしも保存されていないことがわかり、標的遺伝子に対する未知の発現制御機構が存在する可能性も考えられた。また、EWS-FLI1と協調的にDNAに結合する転写因子としてFoxファミリー蛋白が同定され、新たな標的遺伝子もあきらかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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