研究課題
【ランダムプライミングによらないPBATの開発】ssDNAの3'末端にTdTを用いて3'-azido-dGTPを付加した後で、クリックケミストリーを用いて5'-エチニル化オリゴヌクレオチドと連結する基盤技術TdT-assisted Chemical ssDNA (TCS) ligationを開発して論文発表した。【部位特異的エピ変異導入】出芽酵母のCUP1遺伝子は銅耐性を付与する遺伝子で、銅イオンによってプロモーターにリクルートされる転写因子CUP2によって誘導される。cup2欠損株中で、dCas9にヒストンアセチル化酵素p300を付加したdCas9-p300をCUP1遺伝子にターゲティングしたところ、銅感受性が部分的に抑圧された。この結果は、プロモータのヒストンアセチル化亢進によってCUP1遺伝子の基底発現レベルが上昇したものと考えられた。【エピジェネティック修飾の部位特異的生細胞可視化】高感度生細胞可視化用にmNeonGreen (mNG) による二分子蛍光相補法(BiFC)を開発した。細胞内存在量が32分子に過ぎない出芽酵母セントロメア特異的ヒストンバリアントCse4に適用したところ、タイムラプス観察が可能な感度を持つことが示された。更に、CUP1遺伝子プロモータにターゲティングしたdCas9-CUP2間のBiFCを検討した。当初、CUP2-mNG融合タンパク質の局在異常等のトラブルが生じたが、株の変更で問題を解決できた。その結果、銅の添加によってdCas9-CUP2間のBiFCが特異的に誘導されることが確認できた。これにより、dCas9を利用して特定のゲノム座位近傍へのタンパク質結合をBiFCによって生細胞観察できることが実証された(投稿準備中)。現在、ヒストンのアセチル化をリーダータンパク質-dCas9間のBiFCで検出する試みを進行中である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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