研究課題
昨年度に調製可能となったcortactin やL1-CAM等と既に調製してあったshootin1のN-末端ドメインについて、タンパク質物性や相互作用解析、結晶化を進めた(箱嶋グループ)。また、shootin1等の輸送に関する解析や、個体での機能や疾病等との関係の解析も引き続き進めた(稲垣グループ)。BIAcore装置を利用した定量的相互作用実験を行ったところ、電気泳動によるホモログタンパク質の相互作用実験結果では低いと予測できた親和性が想像以上に高いことを発見した。この現象の本質を見極めることが不可欠であり、更に試料の調製法等の検討を実施した。その結果、非常に交換の早い会合であることがわかった。今後はFRET等の蛍光現象を利用したもっと感度の良く、平衡状態で測定ができる実験が適していると結論した。今回は、pull-downアッセイ等の半定量的な実験で対応した。L1-CAM との相互作用に必要なshootin1のN-末端の250残基には、cortactinやL1-CAMへの強い結合を増強する2か所のリン酸化部位(Ser101とSer249)があるが、これらのリン酸化状態の結合に対する影響や、結合部位だけの断片でのN-末端の250残基のタンパク質を調製して、細胞中でのドミナントネガティブな効果の解析等に供することで、相互作用に必要なL1-CAMの細胞質内領域部位等のドメインのマッピングの成果をin vivoでの実験(稲垣グループ)に役立てて、リンカー機能の重要性を確認する成果を得た。L1-CAMとshootin1との相互作用の結果は、稲垣グループの機能解析等他のデータに合わせて論文発表した。また、これまで進めてきた結晶化実験で得られていた結晶の大きさは良質のデータ収集には不十分であったが、結晶化条件の候補を絞り込むという一応の成果は得た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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