研究課題
(1)オートファジーによる易凝集性たんぱく質除去の分子機構 オートファジーが易凝集性たんぱく質を除去するメカニズムについて、ハンチントン舞踏病などの神経変性疾患(ポリグルタミン病)の原因となる異常伸張ポリグルタミン鎖含有たんぱく質(PolyQ)を主なモデルとして哺乳類培養細胞を用いたin vitro解析を行った。その結果、オートファジーの阻害で凝集塊形成と細胞死が促進すること、生細胞へのPolyQ顕微注入で凝集塊形成以前に速やかにオートファゴソーム形成が誘導されることなどが示され、以前の予備的結果が裏付けられた。(2)生体におけるオートファジー亢進の影響の検討 既に作成済みの中枢神経特異的Rubicon KOマウスを用いて神経変性疾患の病態が改善されるか検討するため、シンヌクレインの頭蓋内注入による病態モデルの導入を図り成功した。(3)神経変性疾患抑制を目的とした低分子化合物の探索 既に確立したオートファジーのアッセイ系を用いて、市販漢方薬ライブラリーを用いたスクリーニングを実施した。その結果、複数の処方がオートファジーを促進することが判明した。
2: おおむね順調に進展している
マウスの実験及び化合物探索については予定通り進行している。一昨年度進捗がはかばかしくなかったオートファジーによる易凝集性たんぱく質除去の分子機構についても、方針を変更したところ進展があったので概ね順調と考える。
いずれの計画も軌道に乗っているので、今後も予定通り進めていく。また、世界的な動向にも注意を払い、新たなアイデアが浮かんだ場合は実効性が高ければ計画に無くとも実施を検討する。
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FEBS Letters
巻: 590 ページ: 161-173
10.1002/1873-3468.12048
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/yoshimori/