研究課題
平成28年度は、これまでに得られた16S rRNA遺伝子配列に基づく全球規模の微生物群集構造解析や統計学的マッピングを行うと同時に、海底堆積物に関わる様々な地質学的・物理学的・地球化学的データとの比較解析等を行った。前年度までに行った微生物の多様性解析については、さらに精度を上げて分析し、海底下微生物生態系が堆積物の酸化還元状態、あるいは表層の基礎生産により供給される有機物の量および質に影響を受けていることを明らかにした。また、海洋堆積物に含まれるカビなどの真核微生物について検討を行った。18S rRNA遺伝子に基づく解析では、海底下100m以浅の堆積物には、珪藻、渦鞭毛藻その他藻類の環境DNAが残存していることが明らかとなり、今後、古環境と当時の生態系解析に古代環境DNAが適用可能であることが示された。さらに、海洋堆積物に含まれるカビなどの真核微生物について検討を行い、形成年代が異なる堆積物から培養された分離株のゲノム解読を実施した。平成28年度においては、DNA抽出の際に共抽出される糖類をはじめとした不純物を排除することが困難であり、1分子シーケンサー解析に資するクオリティーのDNAを十分量得ることができなかったが、平成29年度にDNAの抽出精製方法を改善することにより、高純度DNAを得ることとに成功した。それらの手法を用いて、南太平洋還流域の異なる深度から得られたペニシリウム分離株2株のゲノム解読をHiSeqおよびPacBioシーケンサーにより行った。得られたゲノム配列からその古代ペニシリウム2株が持つ生理機能を類推し、現生のペニシリウムとの比較ゲノム解析を行うことでゲノム進化学的に興味深い知見が得られた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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