研究課題
北海道羊ヶ丘植栽ブナ林および新潟県苗場天然ブナ林において、遺伝解析および栄養塩量分析用のサンプルを1ヶ月間隔で継続的に採取した。各個体から3本の枝を選定し、枝毎に3つの芽、葉、枝のセットを毎回採取した。得られたサンプルを用いてフロリゲンとして知られるFLOWERING LOCUS T(FT)および花芽分裂組織決定遺伝子である LEAFY(LFY)やAPETALA1(AP1)の発現量の季節変化をquantitative real-time PCRによって分析し、1年目のデータを得た。また、イオン交換樹脂を利用した土壌中の簡易モニターを実施し、土壌中の栄養塩濃度の季節変化および年変化を明らかにするためのデータを蓄積した。熱帯多雨林においてもShorea leprosula、S. macrophylla、S. siamensisを対象に、ブナと同じ方法で遺伝解析および栄養塩量分析用のサンプルを1ヶ月間隔で継続的に採取した。採取されたサンプルを用いて、quantitative real-time PCRによってFT, LFY遺伝子の発現解析をマレーシア森林研究所の設備を利用して継続して実施した。植物体内と土壌中の栄養塩濃度を、ブナと同様の方法で実施し、1年目のデータを蓄積した。
2: おおむね順調に進展している
開花遺伝子発現量の季節変化と土壌中の栄養塩データを取得するための準備は順調に進み、実際にデータ取得は問題なく開始され1年分のデータを得ることができた。
これまで通り研究を推進しデータをさらに蓄積し、最終年度にはデータ分析とモデル構築を行う。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件)
Oecologia
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