研究課題
前年度と同様に、北海道羊ヶ丘植栽ブナ林および新潟県苗場天然ブナ林において、遺伝解析および栄養塩量分析用のサンプルを1ヶ月間隔で継続的に採取した。新潟調査地から得られたサンプルは、前年と同様にFT遺伝子およびLFY、AP1遺伝子の発現量の季節変化をquantitative real-time PCRによって追跡し、3年目のデータを蓄積した。北海道調査地から得られたサンプルは、新しく設計したマイクロアレイを用いて約3万の遺伝子の発現量の季節変化を定量化した。北海道羊ヶ丘植栽ブナ林では、初年度と最終年度においてこれら遺伝子は高く発現していた。一方で、新潟県苗場天然ブナ林では3年間の調査期間のうち、初年度のみこれら遺伝子の発現が高く、それ以外の年は低いレベルに維持されていた。双方の調査地において、FT、LFY、AP1遺伝子発現量と翌春の開花量との間に強い関連が見出された。また、イオン交換樹脂を利用した土壌中の簡易モニターも前年度と同様に実施し、土壌中の栄養塩濃度の季節変化および年変化を明らかにするためのデータを蓄積した。土壌の窒素量と開花遺伝子発現量の年変化には関係性がみられなかったため、ブナの繁殖における豊凶は土壌から得られる窒素量の年変動によって引き起こされる可能性は低いことが示唆された。マレーシアにおける調査地においても前年度同様に遺伝子発現解析および栄養塩量分析用のサンプルを1ヶ月間隔で継続的に採取し、ブナと同様の方法で分析し3年目のデータを蓄積した。開花フェノロジー長期データと気象データを用いた分析、および遺伝子発現変化に関わるデータを遺伝子発現制御動態を数理モデルによって分析した結果を論文としてとりまとめ、それぞれ国際誌に投稿した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件)
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